台風と地震 土砂災害への警戒を緩めるな
台風7号と8号が相次いで日本列島に接近し、広い範囲に大雨を降らせた。
そのさなかに大きな地震も頻発して複合災害の様相となった。
梅雨はまだ続く。大雨には引き続き注意が必要だ。地震もさらに続く可能性がある。地盤はすでに緩んでいる。土砂災害への警戒を怠ってはならない。
二つの台風の接近では、各地で土砂崩れなどによる死傷者が出たほか、床上浸水が相次いだ。雨のピークが2回あったため、避難指示の解除後、再び発令することを強いられた自治体もあった。
6月上旬には台風6号が上陸したばかりだ。本格的なシーズンでもないこの時期に、次々と台風が到来するのは異例である。
南米ペルー沖で海面温度の高い状態が続くエルニーニョ現象などにより、赤道付近で台風が発生しやすい状態にある。梅雨前線の影響で、短時間に大雨をもたらす線状降水帯が発生する恐れもあるため、気象情報には注意したい。
台風接近と前後し、地震が続発したことも気がかりだ。青森県で震度6強、山梨県で6弱を記録した。千葉県と茨城県で震度4を観測する地震もあった。
大きな地震の後は、1週間ほど同じような規模の地震が起きる可能性がある。大雨で緩くなった地盤が、揺れによって崩れることが懸念される。
ハザードマップで、自分の住む地域に土砂災害の危険があるかどうかや最寄りの避難所、避難経路を確認し、雨が降り出したら早めの避難行動を心がけてほしい。
身の安全を守る上で重要になるのが防災気象情報だ。気象庁は今春、河川氾濫、大雨、土砂災害、高潮について、それぞれ危険度が高い順に「レベル5」から5段階で発表する方式に改めた。
従来の注意報や警報、特別警報などと比べて、「分かりやすくなった」という評価がある一方、住民の避難を巡って混乱が生じるケースも出ている。
「レベル4」の場合、気象庁は「危険な場所から全員が避難すべき段階」と周知している。しかし、実際に避難指示を出すかどうかは各自治体の判断になるため、避難指示が出ないケースがある。
住民にとっては、どちらを重視したらいいのか判断がつかず、気象庁や自治体への問い合わせが増えているという。
今回のような複合災害の際、住民が円滑に行動できないようでは困る。国や自治体は、情報の伝え方を改めて検討すべきだ。
