日本vsブラジル 試合前日の森保一監督会見要旨
日本代表は現地時間29日(日本時間30日)、北中米ワールドカップの決勝トーナメント初戦(ラウンド32)でブラジル代表と対戦する。28日には森保一監督が試合会場のヒューストンスタジアムで前日記者会見に出席した。
以下、試合前日の会見要旨
─選手からは前回大会とは違う手応えの声も挙がっている。改めて、決勝トーナメント初戦をどう突破するか。
「グループリーグ3試合が終わったなかで、決勝トーナメントに進出するところまでは過去の結果と同じ。われわれは、さらに上を目指して戦うという意味では、ここからがW杯と言えるようになった。サッカーの発展があるからこそ、とまずは思っている。これまでも厳しい戦いだったが、相手あっての試合だが、まずはわれわれが全力を出し切る。勝利を目指して全力を出し切るところをしっかりやる。そこで試合を通してさらなる成長を得られるように、勝利を掴み取れるように、世界のトップトップの強豪、W杯で5回優勝したことあるブラジルだが、勝利を掴み取れるように挑みたい」
─決勝トーナメントでPK戦も視野に入る。どのように戦うか。
「どのようにPKを戦うかということについては、前回のカタールW杯で、クロアチアとPK戦の末にわれわれは大会から去らなければいけなくなったということを受けて、そのときにPKのキッカーは誰が蹴るという準備まではしていたが、結果、選手たちの挙手制でキッカーを決めた。今回においては前回同様、さらにPK戦が濃厚になるくらいになればキッカーを決めておきたい、順番を決めておきたいと思う。今回は挙手制ではなく、私が最後決めて選手たちに伝えて、蹴ってもらおうと思っている」
─グループリーグを振り返り、チームとしての成長をどう捉えるか。
「チームの成長という意味では、これまでと変わりなく、よりW杯になってすべての選手たちが自分にプライドを持って、自分が試合に出て勝利に貢献する、チームに貢献するということを考えてくれている。ピッチに立ってプレーする、しないにかかわらず、全員がチームのために自分ができることで貢献しようという、一丸となって戦うという雰囲気は上がってきている」
─(海外メディアから)左膝を負傷した久保建英はブラジル戦に間に合うのか。
「ブラジル戦に関して、久保はプレーはできない。まだ全体練習はできていないし、個人の走るトレーニングしかまだできていないので、明日の試合でプレーすることはない。早く回復することをわれわれも願っているし、彼も急ピッチでコンディションを整えている」
─(海外メディアから)昨年10月に日本はブラジルを破った。前回大会ではドイツとスペインも破った。明日の試合をどう展望するか。
「去年の親善試合で、日本でブラジルと戦ったときは、われわれが勝たせていただいた。それまでの過去の歴史のなかでブラジルとの対戦でまだA代表は勝ったことが一度もなかったので、歴史がひとつ動いたと思っている。しかしながらその勝利で、W杯でブラジルと戦うときの厳しさはさらに増したと思っている。ブラジルの選手、チームは前回の親善試合で負けたこと、すべての選手がいるわけではないが、チームの悔しさは残っている。明日はブラジル代表がモチベーション高く、今度はわれわれに勝つということで戦いは厳しくなると思っている。ただ、これまでは勝率0%だったところがわれわれにも勝つチャンスがあることがわかったのが、前回の親善試合での戦いだった。明日も厳しい戦いになるが、われわれが勝利を掴み取れるように全力で挑みたい」
─日本の試合間隔がブラジルよりも1日短い。移動距離もブラジルの倍くらいあるが、どのような影響がありそうか。
「おっしゃられるとおり、アメリカ、カナダ、メキシコの北中米W杯は移動が大変で、コンディションにも大きく影響する。そこでブラジルが中4日、われわれが中3日ということでリカバリーする期間、準備する期間では不利な状況だが、特段気にしてはいない。最初から日程はわかっていることで、チームとしても与えられた状況のなかで、移動のストレスを少しでも軽減してオフ・ザ・ピッチで、より中3日で回復していい状態で戦っていこうということは、すでに選手たちにもチームスタッフも選手のために準備をしている。あした選手たちはこれまでのベストパフォーマンスをしてくれる。なおかつ、ブラジルが相手ということで、ブラジルにはリスペクトしているが、本気のブラジルとW杯で戦えることはわれわれにとって未来に大きな財産になる。選手たちには思い切って戦ってもらえるように、選手たちも思い切って戦えるように、コンディションを心身ともにベストな状態を作ってくれると思う」
─センターバックは6人がスタメンで出場してプレータイムも得られている。一方、攻撃陣が出場機会を得るために何が必要か。
「DFの選手がプレー機会を得られているというところで、それが本当にいいかはわからない。実際、チームによっては固定してスタメンで選手がいて、サブの選手がそれを乗り越えてスタメンを勝ち取るという競争のなかで、チームでの価値があるということと、選手のレベルアップにつなげていく考え方もあるので、一概に多くの選手を使うことがいいとはいえないが、日本の今のディフェンスではより多くの選手たちがW杯という経験を得て、さらに世界トップ基準を知ったうえで、成長してくれたほうがいい。より多くの選手たちに経験してもらいながら、全体も個人もチームもレベルアップしていく。前線の選手たちが試合に出るという意味では26人の選手、フィールドプレーヤーであれば、あと1人だけプレーしていない町野(修斗)がいるが、そのときのベストということで、自分たちのベストと相手とのかみ合わせのベストということで考えて選手たちを送り出している。ブラジル戦ではどういう選手起用になるか、見ていただければ」
─(海外メディアから)日本にはピッチ上のアイデンティティがある。ブラジルに勝つために、そのアイデンティティを変える必要はあるか。
「日本のアイデンティティを変えるという部分では、変える必要はまったくない。むしろ、日本のアイデンティティは世界の中でも特別で誇れるものが多い。これは継承していく、未来でも続けていくこと。何が足りないかというと、アイデンティティではなくて経験値かなと思う。これまで日本人の選手たちは、国内でプレーする選手がほとんどで、海外いわゆる世界基準での場でプレーする選手が少なく、世界基準と日本の基準のギャップに苦しんでいた。現在は代表の多くの選手がヨーロッパ、南米、世界基準を知りながら、より代表として世界で戦えるようになっている。世界基準のフィジカルの強さ、スピード、そのスピードの中での判断力、技術などを発揮できれば、個の力の部分をより世界基準で培えれば、日本の組織力は世界でも誇れるものと思っている。ジーコさんやたくさんの人たち日本に来てくださっているし、たくさんの選手たちが国内で世界基準を培えるように、日本のサッカーに多くのブラジル人が貢献してくれている。オブリガード」
─(海外メディアから)日本は下馬評の低いチームとも言われていることをどう感じるか。
「世界的に評価が高いブラジル、そうではない日本、というのはごくごく当たり前のこと。われわれもW杯でチャンピオンを目指すということでレベルアップしているし、実際にW杯にも挑んでいる。それを笑う方もいるかもしれない。近い将来でいうと、今回も本気で目指しているし、こうやって目標を立てることで日本人は必ず目標に到達できると思っているので、未来に向けて言っている部分もある。今回のW杯でいうと、ブラジルはこの大会でも本命の優勝候補国。みなさんにはなかなか言ってもらえないが、自分たちで言うとダークホースの優勝候補国がわれわれだという位置づけで戦っていきたい。リスペクトはするが、われわれも去年そうだったように勝つチャンスがあるということで、また歴史が変わるようなことが起こせるようにベストを尽くしたい。まずはラウンド32のなかで世界が注目してくれる試合ができる。フットボールのいい試合を多くの方々に見ていただく、われわれもさらに未来に向かって自信が持てるようにしていきたい」
─(海外メディアから)森保監督はいつもノートを取っているが、明日の試合のために書いたことはあるか。また、ジーコから学んだことはあるか。
「明日の試合に関しては何も書いていない。まず自分たちがこれまでやってきたことに自信を持って、あした勇敢に勇気を持って対峙するということだけ、まずは精神的なことだけ書いている。そしてジーコさんは、私は同じチームでプレーをしたことはないが、代表監督としては先輩になる。ジーコさんが日本にいるときに視察で会ったときには、いつもサッカーの話をして、がんばれと声をかけていただいている。私自身も、ブラジル人の監督ではファルカンさんが日本で監督をやったことがあって、そのときに教えられたことはまずは戦術面、技術面もあるが、自身を持ってプレーすることを教えていただいた。チームとしての戦術、戦略もあるが、一人ひとりが高い技術を持って強い個でなければいけないということを、すごい技術で見せてくださった。そういう意味では強い個を磨くというところは、選手たちにも伝えているところではある。明日のことについては本当に書いていない。ただ、メモは試合中にメモをしていて自分たちが試合中に見ていること、相手にやられてできていないことを書いて、それをハーフタイムや試合中、コーチや選手に話をしている。明日の試合はできていることを書けるようにチャレンジしたい」
─(海外メディアから)ブラジルのカルロ・アンチェロッティ監督についてどう感じているか。
「すごい監督だと思ってリスペクトとしている。選手としても監督としても、すばらしい成果を挙げられている。ブラジルでは初の外国人監督、ブラジルの猛者が揃ったフットボールの経験値が高い国で外国人の監督として指揮を執れることはそんな簡単なことではない。やはりアンチェロッティ監督のすばらしい指導力と人間性があって仕事が続いている。私自身も色んな選手たちの成長を促せるように、チームを勝たせられるように見習って自分で力をつけていきたい」
(取材・文 石川祐介)
以下、試合前日の会見要旨
─選手からは前回大会とは違う手応えの声も挙がっている。改めて、決勝トーナメント初戦をどう突破するか。
「グループリーグ3試合が終わったなかで、決勝トーナメントに進出するところまでは過去の結果と同じ。われわれは、さらに上を目指して戦うという意味では、ここからがW杯と言えるようになった。サッカーの発展があるからこそ、とまずは思っている。これまでも厳しい戦いだったが、相手あっての試合だが、まずはわれわれが全力を出し切る。勝利を目指して全力を出し切るところをしっかりやる。そこで試合を通してさらなる成長を得られるように、勝利を掴み取れるように、世界のトップトップの強豪、W杯で5回優勝したことあるブラジルだが、勝利を掴み取れるように挑みたい」
「どのようにPKを戦うかということについては、前回のカタールW杯で、クロアチアとPK戦の末にわれわれは大会から去らなければいけなくなったということを受けて、そのときにPKのキッカーは誰が蹴るという準備まではしていたが、結果、選手たちの挙手制でキッカーを決めた。今回においては前回同様、さらにPK戦が濃厚になるくらいになればキッカーを決めておきたい、順番を決めておきたいと思う。今回は挙手制ではなく、私が最後決めて選手たちに伝えて、蹴ってもらおうと思っている」
─グループリーグを振り返り、チームとしての成長をどう捉えるか。
「チームの成長という意味では、これまでと変わりなく、よりW杯になってすべての選手たちが自分にプライドを持って、自分が試合に出て勝利に貢献する、チームに貢献するということを考えてくれている。ピッチに立ってプレーする、しないにかかわらず、全員がチームのために自分ができることで貢献しようという、一丸となって戦うという雰囲気は上がってきている」
─(海外メディアから)左膝を負傷した久保建英はブラジル戦に間に合うのか。
「ブラジル戦に関して、久保はプレーはできない。まだ全体練習はできていないし、個人の走るトレーニングしかまだできていないので、明日の試合でプレーすることはない。早く回復することをわれわれも願っているし、彼も急ピッチでコンディションを整えている」
─(海外メディアから)昨年10月に日本はブラジルを破った。前回大会ではドイツとスペインも破った。明日の試合をどう展望するか。
「去年の親善試合で、日本でブラジルと戦ったときは、われわれが勝たせていただいた。それまでの過去の歴史のなかでブラジルとの対戦でまだA代表は勝ったことが一度もなかったので、歴史がひとつ動いたと思っている。しかしながらその勝利で、W杯でブラジルと戦うときの厳しさはさらに増したと思っている。ブラジルの選手、チームは前回の親善試合で負けたこと、すべての選手がいるわけではないが、チームの悔しさは残っている。明日はブラジル代表がモチベーション高く、今度はわれわれに勝つということで戦いは厳しくなると思っている。ただ、これまでは勝率0%だったところがわれわれにも勝つチャンスがあることがわかったのが、前回の親善試合での戦いだった。明日も厳しい戦いになるが、われわれが勝利を掴み取れるように全力で挑みたい」
─日本の試合間隔がブラジルよりも1日短い。移動距離もブラジルの倍くらいあるが、どのような影響がありそうか。
「おっしゃられるとおり、アメリカ、カナダ、メキシコの北中米W杯は移動が大変で、コンディションにも大きく影響する。そこでブラジルが中4日、われわれが中3日ということでリカバリーする期間、準備する期間では不利な状況だが、特段気にしてはいない。最初から日程はわかっていることで、チームとしても与えられた状況のなかで、移動のストレスを少しでも軽減してオフ・ザ・ピッチで、より中3日で回復していい状態で戦っていこうということは、すでに選手たちにもチームスタッフも選手のために準備をしている。あした選手たちはこれまでのベストパフォーマンスをしてくれる。なおかつ、ブラジルが相手ということで、ブラジルにはリスペクトしているが、本気のブラジルとW杯で戦えることはわれわれにとって未来に大きな財産になる。選手たちには思い切って戦ってもらえるように、選手たちも思い切って戦えるように、コンディションを心身ともにベストな状態を作ってくれると思う」
─センターバックは6人がスタメンで出場してプレータイムも得られている。一方、攻撃陣が出場機会を得るために何が必要か。
「DFの選手がプレー機会を得られているというところで、それが本当にいいかはわからない。実際、チームによっては固定してスタメンで選手がいて、サブの選手がそれを乗り越えてスタメンを勝ち取るという競争のなかで、チームでの価値があるということと、選手のレベルアップにつなげていく考え方もあるので、一概に多くの選手を使うことがいいとはいえないが、日本の今のディフェンスではより多くの選手たちがW杯という経験を得て、さらに世界トップ基準を知ったうえで、成長してくれたほうがいい。より多くの選手たちに経験してもらいながら、全体も個人もチームもレベルアップしていく。前線の選手たちが試合に出るという意味では26人の選手、フィールドプレーヤーであれば、あと1人だけプレーしていない町野(修斗)がいるが、そのときのベストということで、自分たちのベストと相手とのかみ合わせのベストということで考えて選手たちを送り出している。ブラジル戦ではどういう選手起用になるか、見ていただければ」
─(海外メディアから)日本にはピッチ上のアイデンティティがある。ブラジルに勝つために、そのアイデンティティを変える必要はあるか。
「日本のアイデンティティを変えるという部分では、変える必要はまったくない。むしろ、日本のアイデンティティは世界の中でも特別で誇れるものが多い。これは継承していく、未来でも続けていくこと。何が足りないかというと、アイデンティティではなくて経験値かなと思う。これまで日本人の選手たちは、国内でプレーする選手がほとんどで、海外いわゆる世界基準での場でプレーする選手が少なく、世界基準と日本の基準のギャップに苦しんでいた。現在は代表の多くの選手がヨーロッパ、南米、世界基準を知りながら、より代表として世界で戦えるようになっている。世界基準のフィジカルの強さ、スピード、そのスピードの中での判断力、技術などを発揮できれば、個の力の部分をより世界基準で培えれば、日本の組織力は世界でも誇れるものと思っている。ジーコさんやたくさんの人たち日本に来てくださっているし、たくさんの選手たちが国内で世界基準を培えるように、日本のサッカーに多くのブラジル人が貢献してくれている。オブリガード」
─(海外メディアから)日本は下馬評の低いチームとも言われていることをどう感じるか。
「世界的に評価が高いブラジル、そうではない日本、というのはごくごく当たり前のこと。われわれもW杯でチャンピオンを目指すということでレベルアップしているし、実際にW杯にも挑んでいる。それを笑う方もいるかもしれない。近い将来でいうと、今回も本気で目指しているし、こうやって目標を立てることで日本人は必ず目標に到達できると思っているので、未来に向けて言っている部分もある。今回のW杯でいうと、ブラジルはこの大会でも本命の優勝候補国。みなさんにはなかなか言ってもらえないが、自分たちで言うとダークホースの優勝候補国がわれわれだという位置づけで戦っていきたい。リスペクトはするが、われわれも去年そうだったように勝つチャンスがあるということで、また歴史が変わるようなことが起こせるようにベストを尽くしたい。まずはラウンド32のなかで世界が注目してくれる試合ができる。フットボールのいい試合を多くの方々に見ていただく、われわれもさらに未来に向かって自信が持てるようにしていきたい」
─(海外メディアから)森保監督はいつもノートを取っているが、明日の試合のために書いたことはあるか。また、ジーコから学んだことはあるか。
「明日の試合に関しては何も書いていない。まず自分たちがこれまでやってきたことに自信を持って、あした勇敢に勇気を持って対峙するということだけ、まずは精神的なことだけ書いている。そしてジーコさんは、私は同じチームでプレーをしたことはないが、代表監督としては先輩になる。ジーコさんが日本にいるときに視察で会ったときには、いつもサッカーの話をして、がんばれと声をかけていただいている。私自身も、ブラジル人の監督ではファルカンさんが日本で監督をやったことがあって、そのときに教えられたことはまずは戦術面、技術面もあるが、自身を持ってプレーすることを教えていただいた。チームとしての戦術、戦略もあるが、一人ひとりが高い技術を持って強い個でなければいけないということを、すごい技術で見せてくださった。そういう意味では強い個を磨くというところは、選手たちにも伝えているところではある。明日のことについては本当に書いていない。ただ、メモは試合中にメモをしていて自分たちが試合中に見ていること、相手にやられてできていないことを書いて、それをハーフタイムや試合中、コーチや選手に話をしている。明日の試合はできていることを書けるようにチャレンジしたい」
─(海外メディアから)ブラジルのカルロ・アンチェロッティ監督についてどう感じているか。
「すごい監督だと思ってリスペクトとしている。選手としても監督としても、すばらしい成果を挙げられている。ブラジルでは初の外国人監督、ブラジルの猛者が揃ったフットボールの経験値が高い国で外国人の監督として指揮を執れることはそんな簡単なことではない。やはりアンチェロッティ監督のすばらしい指導力と人間性があって仕事が続いている。私自身も色んな選手たちの成長を促せるように、チームを勝たせられるように見習って自分で力をつけていきたい」
(取材・文 石川祐介)

