北中米W杯決勝トーナメント1回戦(ラウンド32)で日本代表と対戦するブラジル代表のカルロ・アンチェロッティ監督が前日会見に出席した。会見では現地記者から、ブラジルで大きな物議を醸しているFW塩貝健人のコメントに関する質問が挙がったが、経験豊富な名将は「我々はマインドゲームに応じない」と一蹴した。

 ブラジル人記者が注目したのは塩貝が日本代表ベースキャンプ地のナッシュビルで発した「昔のすごく強いイメージは薄くなったような感じ」「昔のネイマールよりは大丈夫だと思う」というコメント。これがよりストレートに翻訳される形でブラジルに伝わり、現地で炎上騒動を呼んでいた。

 ブラジル人記者は記者会見でアンチェロッティ監督に「日本のアタッカーが『ブラジルのチームはもはやかつてのブラジルではない』と言っていた。『ネイマールはかつての姿ではない』と言っていた。経験豊富な監督としてこのことをチームに伝えたのか」と質問。激しく語気を強めながらの質問で、国民の怒りを代弁するかのような調子だった。

 ところがアンチェロッティ監督は「我々はある選手が言ったことについて、選手に対して何も言わない。そういうことを言うとより危険なプレーを招くかもしれない。そのリスクは取らない」と述べ、選手に発言を共有しない方針を説明。「マインドゲームなどに陥らないようにしたい。そういったことを言うのは簡単だが、我々はマインドゲームに応じない」と冷静に語っていた。

 さらにブラジル人記者からはブラジルと日本の力関係を問う質問も挙がったが、アンチェロッティ監督は「どの試合も難しいものだと思う」と淡々と返答。「今までのところ、この大会でどこが有力候補なのかはまだはっきりしていない。グループステージでよくやっているチームはあるが、明らかにここだと言うのはまだ出てきていない。よくバランスの取れた大会になっている」とたしなめるような様子で話した。

(取材・文 竹内達也)