YouTubeチャンネル「元警視庁刑事・小比類巻文隆【最後の取調室】」が、「【江別・大学生集団暴行死】判決大炎上・元刑事が解説:川村被告懲役30年、飛び蹴り男20年、笑いながら蹴った少年は9~13年」と題した動画を公開した。動画では、治安戦略アナリストの小比類巻文隆氏が、2024年10月に北海道江別市で発生した大学生への集団暴行死事件における札幌地裁の判決について、元警視庁刑事の視点から解説している。

事件は、男女6人が被害者である長谷知哉さん(当時20歳)を夜間の公園に呼び出し、長時間の激しい暴行を加えたという凄惨なもの。司法解剖の結果、「腎臓の一部が裂ける」ほどの損傷(ボクシングで反則となるキドニーパンチ相当)が確認され、死因は外傷性ショックとされた。さらに被告らは、暴行の様子や謝罪を強要する姿をスマートフォンで撮影。被害者を重傷のまま現場に放置した上、奪ったクレジットカードやキャッシュカードで買い物や現金引き出しを行い、飲食をしていたことが明らかになっている。

裁判において最大の争点となったのは、強盗致死罪が成立するか否かである。弁護側は暴行と財物奪取は別々の行為であると主張したが、札幌地裁は「暴行によって抵抗能力を奪い、金品を奪った」として一連の犯行と認定し、強盗致死罪の成立を認めた。判決では、主導的な立場とされた川村葉音被告に有期刑の上限である懲役30年(求刑・無期懲役)、滝沢海斗被告に懲役20年(同・懲役20年)、当時16歳の少年に懲役9年以上13年以下の不定期刑(同・懲役10年以上15年以下)が言い渡された。

一部で求刑より軽い判決が出た点について、小比類巻氏は「共同で犯行に及んだ事件であっても、それぞれの事件への関与や役割が個別に評価された結果」と説明。また、事件当時18歳だった滝沢被告は改正少年法に基づく「特定少年」として成人と同等の刑事裁判を受け、当時16歳の少年には少年法の理念に基づく不定期刑が適用された背景を解説した。

ネット上などで「なぜ無期懲役ではないのか」といった疑問が広がる中、小比類巻氏は「法に基づいた判決結果と、被害者遺族の喪失感にはどうしても乖離が生じる」と指摘。失われた命は二度と戻らないという現実を重く受け止めつつ、同種の凶悪犯罪を防ぐためには厳罰化だけでなく、若年層がこうした集団犯罪に至る社会的背景にも目を向ける必要があると提起して動画を締めくくった。

チャンネル情報

元警視庁刑事・国際捜査官。1993〜2023年警視庁。爆弾処理班配属後、警視庁中国語通訳を経て国際捜査官に。以降、国内外の銃器・薬物犯罪の情報収集、秘匿捜査に従事する。ほか殺人、強盗、誘拐事件などあらゆる捜査に参加。退官後、30年に及ぶ警察人生の知見を世の中へ貢献すべく治安戦略アナリストとして活動中。