日本で一番売れているボルボSUV、『XC40』の話【日本版編集長コラム#87】
既にデビューから9年目となるXC40
4週間に渡ってレポートしてきたボルボXC60、V60。車両を返却した2日後、偶然にもXC40の試乗会に参加する機会があったので、ボルボのレポートを続けることにした。
【画像】日本で一番売れているボルボSUV!『XC40』 全38枚
2018年に欧州カー・オブ・ザ・イヤーを初受賞し、日本では前年のXC60に続き、ボルボとして2年連続でカー・オブ・ザ・イヤー受賞となったXC40。既に9年目となっているが、元々、2015年に電動化を想定して登場したCMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー)を採用し、この9年も様々な改良を施してきたこともあり、今も人気を維持している。

今回のテーマは日本で一番売れているボルボ、『XC40』。写真はウルトラB4 AWD。 平井大介
直近の数字では、今年4月に204台を販売。これは国内プレミアムCセグメントSUVの中では6番目となる。ただ、上位が軒並み販売台数が低下している中、前年同月と同じ台数とXC40は健闘している。具体的には以下のとおりだ。
2026年4月プレミアムCセグメントSUV販売台数(ボルボ調べ)●BMW X1:433台(前年同月比マイナス8.3%)
●レクサスUX:335台(同マイナス20%)
●メルセデス・ベンツGLB:394台(同マイナス15.6%)
●ミニ・カントリーマン:238台(同マイナス16.8%)
●メルセデス・ベンツGLA:238台(同マイナス8.8%)
●ボルボXC40:204台(前年同月同数)
なお昨年の日本におけるボルボ販売で、XC40は全体の32%を占めるベストセラーとなり、XC60が21%、EX30が16%、V60が18%、XC90が11%となっている。ちなみにワールドワイドではXC60がトップになるので、日本は特にXC40が売れているわけだ。
昨年5月にマイチェンを受けたモデル
現在日本で販売されているXC40は、昨年5月にマイチェンを受け、EX30やXC90などと同じセンターディスプレイグラフィックのインターフェイスを採用したモデルだ。
具体的にはクアルコムテクノロジーの次世代コンピューター基盤と言われる、スナップドラゴンコクピットプラットフォームを導入。グーグル搭載のインフォテイメントシステムの処理速度は2倍以上、グラフィックの生成速度は10倍に向上している。

こちらはXC40ウルトラB3。B4がAWDであるのに対し、こちらはFFとなる。 平井大介
グレード構成は『XC40ウルトラB4 AWD』(価格639万円)、いずれもFFとなる『ウルトラB3』(599万円)、『プラスB3』(559万円)の3種類。
パワーユニットは全て2L直列4気筒ターボ+モーターのマイルドハイブリッドだが、AWDが最高出力197ps/最大トルク30.6kg-mであるのに対し、FFは163ps/27.0kg-mとなる。トランスミッションは7速デュアルクラッチだ。
ボディサイズは全長4440mm、全幅1875mm、全高1655mm、ホイールベース2700mm。車両重量はウルトラB3が1660kg、ウルトラB4 AWDが1720kgで、タイヤサイズはB3が18インチ、B4が19インチという違いがある。
ボルボSUVの末っ子に相応しいデザイン
ちなみにデザイン自体は、2023年に実施されたフェイスリフト版。グーグルが搭載されたのもこのタイミングだ。
今回参加した試乗会のプレゼンで、正面から見た時にXC90、XC60がライオンをイメージしたのに対し、XC40はブルドックをイメージ。スモールXC60ではなく、ボルボSUVの末っ子に相応しいデザインが採用されているという振り返りがあった。

見た目は変わっていないが、中身は大幅に変わっているというXC40。 平井大介
また、「見た目は変わっていないが、中身は大幅に変わっている」という解説もあり、ここ最近取材してきたXC60、V60同様、XC40もボルボらしく改良を積み重ねているわけだ。
今回はウルトラB4 AWDとウルトラB3に試乗したが、試乗コースに入っていた箱根ターンパイクのようにワインディングなどを走るなら、パワースペックの高いB4 AWDを選んだほうがよさそう。
もしほぼ街中という使い方なら、B3で十分という印象だろう。タイヤサイズの違いもあり、B3は路面からの感触が柔らかかった。参考までに取材車の銘柄は19インチがミシュラン、18インチがコンチネンタルとなる。
『癒される……』と思いながら試乗
2018年新車時の印象は薄っすらとした記憶だが、最新モデルは何となく室内が静かになった気がした。恐らく乗り比べたら、だいぶ洗練されているはずだ。その室内デザインは素材、色合いなど他のボルボ同様に白眉と言える部分で、『癒される……』と思いながら試乗していた。
ちょっと気になったのはデュアルクラッチで、1速の細かい動きで若干ギクシャクする場面があったこと。また、上級モデルのXC60やV60ほど乗り心地がよく感じなかったのは、年数を考えると仕方ない部分かもしれない。

ボルボ最大の白眉は、素材や色合いなど室内の雰囲気にある。 平井大介
しかしこの日に試乗した2台のXC40だけでなく、XC60、V60も含めて、ボルボ全車に共通する本質は、デザインも乗り味も、心を落ち着かせてくれるということだ。刺激的ではないが、無味乾燥な雰囲気でもない。
つまりそれは、ボルボが長く付き合うのに適しているクルマであることを意味している。事実、デビューから約8年が過ぎたXC40にそれほど古さを感じなかったことが、それを証明している気がした。
