本塁打を放ちながら代走を送られた、初の選手は?【プロ野球記録企画】
デイリースポーツの記録担当がプロ野球のさまざまな記録をひもとく新企画「記録の向こう側」(随時掲載)がスタート。今回は本塁打を放ちながら代走を送られた、初の選手を取り上げる。
◇ ◇
69年に近鉄へ入団したジムタイルは、オリオールズなどでプレーしメジャー179本塁打の実績を持つ大砲候補。初優勝を目指すチームの柱として、大きな期待を寄せられていた。ところが長年のプレーと35歳という年齢から、両足に不安を抱えての来日でもあった。まだパ・リーグが指名打者を採用する前とあり、守備につかざるを得ない。塁に出れば頻繁に代走を送られるという、不安定さも同居していた。
そして5月18日の阪急戦(西宮)で、事件は起きた。二回に足立光弘から先制ホームランを放ったが、なんと左足に肉離れを起こしてしまった。全力疾走は不要とはいえ、激痛に襲われたジムタイルは立ち上がることすらできない。そこで近鉄ベンチは、代走に伊勢孝夫を起用。後に代打で大活躍する伊勢だったが、なんとも意外な形でグラウンドに現れ、ベースを一周した。
ジムタイルはこの年限りで退団。前述のように代走と交代する機会が多かったため、ホームインすれば記録される「得点」はホームランの打席のみだった。ところが肉離れを起こした打席での得点は、本人ではなく伊勢についた。したがって「シーズン本塁打8、得点7」という、なんとも奇妙な数字を残してしまった。(デイリースポーツ・高野勲)
答え…近鉄のジムタイル
