日銀総裁が不在でも「利上げ」波乱なく決定、要因は高市政権の「静観」…首相周辺「腹合わせはしている」
[金利1% 検証日銀]<上>
円卓を囲んだ8人の政策委員の中に、議長を務めるはずの植田和男総裁の姿はなかった。1・0%程度への利上げや国債買い入れ額の減額計画が議論されたが、総裁不在の状況でも決定は波乱なく進んだ。多くの政策委員が利上げ方針などで一致していたこともあるが、最大の要因は高市政権が今回の利上げ判断を「静観」したことだった。
積極財政と金融緩和を志向する高市首相は、景気減速を招く可能性がある追加利上げには慎重姿勢とみられる。2024年の自民党総裁選の際には、「金利をいま上げるのはアホ」と発言したこともあった。
日銀にとって、利上げの最大の「ハードル」は政権の反応だった。しかし、6月の決定会合前、官邸では「高市首相と植田総裁の腹合わせはしている。決断は向こう(日銀)が下せばいい」(高市首相周辺)との見方が広がっていた。
官邸関係者は政権の方針をこう解説する。「どこかで利上げをしなければならないことは分かっていた。4月は中東情勢による景気減速のリスクが強く意識されていたが、今回は政治的な環境が整ったということだ」
