「気合いの問題じゃない」梅雨時の頭痛とめまい。的場浩司も長年悩まされた天気痛の実態「理解するのは難しくても」
お天気アプリ「ウェザーニューズ」が全国2万人に実施した調査で、天気や気圧の変化で体の不調が現れる「天気痛」の自覚症状がある人は全体の7割近くに上り、5人にひとりが梅雨の時期に頭痛などが悪化しているそう。俳優の的場浩司さんも20代からこの時期に不調があり、「現場で座り込んだこともある」といいます。天気痛の実態を伺いました。
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梅雨時の頭痛とひどいめまい「原因もわからず」
── 毎年この時期に、体調に異変が起きると伺いました。
的場さん:毎年5~6月に頭痛が起きて、ひどいときはめまいが出ることもあります。20代や30代の頃は、原因もわからないし熱があるわけでもないから、「気合いが足りないんじゃないか」と思っていました。梅雨明けして1週間後くらいまでそれが続くんです。
何か栄養が足りないんじゃないかと思って鉄のサプリを飲んでいたこともあります。でも、僕にはまったく効かなかったんですよ。撮影中に、頭をつかまれて回されているようにひどいめまいが起きて座り込んでしまって、心配したスタッフが病院に連れて行ってくれたこともありました。
── なんと言われたんですか。
的場さん:そのときは三半規管が影響していると言われました。当時は天気痛とか、気象病って言葉がなかったんです。あの頃は病院に行っても痛み止めをもらうくらいで、原因がわからず10年くらい過ごしました。僕の場合は寝ている状態では楽なんですけど、そこから起き上がったり、立ち上がったりするとひどかったです。
でも、ここ20年くらいですかね。年齢を重ねていくうちに気圧や天気の変化が体に影響がある天気痛とか気象病っていうものがあるという話を聞いて、僕の症状が全部当てはまることがわかりました。思い返してみると、毎年同じ時期に昔の傷が痛んだり、頭が痛くなったりするなって。そこからどうにかして症状が軽く済むよう対策するようになりました。
長年の経験「絶対治る」方法はないけれど
── どんな対策をしているんですか。
的場さん:もともと肩こりがひどいのもあって、整体に通うようになってから調子がよくなったんですよ。これは人によって合う、合わないがあると思うので、皆さんも自分にいいものを見つけてほしいなと思ってるんですが、僕の場合は、体の歪みや筋肉をほぐしてもらって、自律神経を整えると効果があるということがわかりました。でも、僕の場合は整体に行った直後は「よくなった」と感じるんですけど、長続きしなくて。なので、日常でのセルフケアもするようにしています。
この時期は、家でちょっとぬるめのお湯にゆっくり浸かって肩や首のこりをほぐしたり、自律神経のツボがある耳のマッサージもしたりして。お風呂上がりのストレッチも日課になっています。少しでもいい状態で自分が活動できるようにしたいと思っています。
── なるべく即効性がある対策がほしいと思ってしまいます。
的場さん:長年経験して思うのは、この時期に起きる不調は「これをしたら絶対治る」というものがないということ。自律神経を整えようと意識していても治らないときもあります。ひとつだけわかるのは毎年、同じ時期に起きているってことだけ。とはいっても、自分でできるツボ押しやストレッチはお金がかかるものじゃないから、ぜひ試してほしいですね。一度やっただけでよくなるものではないので、「継続は力なり」で続けてみてもらえたら。
なったことがある人にしかわからないつらさ
── 天気による不調は、周囲から理解されにくいという声も聞かれます。
的場さん:天気痛とか気象病という言葉が認知されている今の世の中でも、やっぱりこのつらさって、なったことがある人にしかわからないと思うんですよね。そもそも頭痛ってなんで起きるかよくわからないし、撮影が立て込んでいるのに「頭痛いから仕事を休みます」と、僕は言えなかった。働きやすい世の中になっているとはいえ、きっと、この仕事に限らず今もあんまり状況は変わってないと思うんですよ。
たとえば、風邪とかインフルエンザとか、多くの人に経験があるようなものだったら「熱が出て節々が痛くなってつらんだろうな」とイメージできるから、ある程度わかると思うんですけど、このつらさはなった人にしかわからないと思います。裏を返せば、僕より症状がもっとしんどくて、吐いてしまうような方の気持ちを、僕がすべて理解できているとは思わないんです。いろんな人に話を聞いてみると、天気に影響されやすいとひとくちに言っても、人によって症状が出る時期が違うようなんです。
── 私自身は雨が降る直前や台風の前がつらいです。
的場さん:台風の前がしんどいって人は多いよね。雨が降る何日か前がつらいって言う人もいるし、台風が去ったあと数日がつらい人もいる。僕の場合は、台風に関してはそんなにしんどくないんですよ。人によって出る時期が違うのも、理解がされにくい理由なのかなと思います。
理解することは難しくても寄り添うことはできる
── どうやって向き合っていくのがいいですか。
的場さん:信頼できる専門医に相談して、ちょっとでもいい状態を作るためにどうしていくかを考えながら、自分に合った向き合い方を見つけていくしかないと思っています。頭が痛くないほうがもちろんいいので、症状が出る人は、いろいろ試して自分に合った方法を探して欲しいです。これをすると調子がいいとか、少しでも楽になる方法を見つけてほしい。僕は頭痛が起きている時はコーヒーなどのカフェインを含んでいる飲み物を控えて、水や炭酸水、最近ハマってる麦茶を飲むようにしています。あとは、なるぺくポジティブでいるのも大事なのかなって。「ここまでやっているから、大丈夫」と思える状態にしておきたいです。
周囲の方にお願いしたいのは、経験したことがないものを理解するのは難しくても、寄り添うことはできるということです。今は「◯◯ハラ」がたくさんあって難しいところもあるかもしれませんが、何も知らないままだと「ちょっと仕事の効率が悪くておかしいな」と周りが感じるのも当然だと思うんです。この時期につらい思いをしている人がいるのは事実なので、日頃からコミュニケーションをとって、少しでもわかってもらえる世の中になったらいいですね。
取材・文:内橋明日香 写真:的場浩司

