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近年、都市部を中心に「定期借地権(定借)マンション」の供給が急激に増えています。日経新聞の報道によると、2025年の定借マンションの供給量は前年比で2.7倍にまで跳ね上がりました。
一般的な所有権マンションに比べて2~3割ほど安く、立地の良い場所に住めるとあって注目を集めていますが、安易に飛び付くのは危険です。そこには、定借ならではの「残存期間の壁」と、売却時にのしかかる「ローンの罠」が潜んでいます。
今回は、らくだ不動産株式会社の執行役員・エージェントの八巻侑司さん、エージェントの益山真さん、そしてチームリーダー・エージェントの鈴木成禎さんの3名が、定借マンションの知られざるリスクを徹底解説します。

◾️なぜ今、定期借地権マンションが激増しているのか?
土地を「所有」するのではなく、期限付きで「借りる」形式の定借マンション。この供給が激増している背景には、昨今の地価高騰があります。
八巻さんは次のように分析します。

「都心の一等地などでは土地の仕入れ価格が高騰しすぎており、所有権のマンションにすると分譲価格が一般の手には届かないレベルになってしまいます。また、地主側も『一等地の土地を手放したくないが、有効活用はしたい』と考えているため、土地を貸し出すだけの定期借地権の形をとるケースが増えています。結果として、立地が良い割に価格が抑えられた定借マンションの供給が増えているのです」
◾️資産価値のデッドライン:「40年・35年の壁」
定借マンションは、あらかじめ「70年」などと入居できる期間が決まっており、期間満了時には建物を解体して更地で地主に返さなければなりません。そのため、年数の経過とともに資産価値の目減りを避けることはできません。
現場の最前線に立つ鈴木さんは、価値が伸び悩む明確な「デッドライン」があると指摘します。

「市場の流通データを見ると、残存期間(解体までの残り期間)が40年、あるいは35年を切ってきたあたりから、売却価格が露骨に伸び悩んだり、下落し始めたりする傾向があります。『残り35年で価値のピークを迎える』とも言われており、それ以降は売りたくても買い手がつきにくくなるリスクが高まります」
◾️次の買い手が買えなくなる?致命的な「ローンの罠」
なぜ残存期間が短くなると、これほど売却が難しくなるのでしょうか。そこには、日本の住宅ローン審査に潜む致命的な罠があります。
鈴木さんは次のように警告します。

「日本の銀行は、定期借地権マンションに対して『残存期間の範囲内でしかローンを組ませない』という厳しいルールを設けているところがほとんどです。例えば、残存期間が残り30年の物件を中古で買おうとした人がいても、一般的な『35年ローン』を組むことができません。
次の買い手が長期ローンを組めないということは、購入できる人が『現金一括で買える人』や『短いローンの重い月々の返済に耐えられる人』に限定されてしまうため、需要が激減し、価格を大きく下げざるを得なくなるのです」。
◾️居住用か投資用か、目的を明確にした見極めを
定借マンションの中には、立地が抜群に良いことから、あえて賃貸に出す「投資用」として流通しているケースも多くあります。
益山さんは、エリアごとの特性を見極めることが重要だと語ります。

「例えば稲城市など郊外のエリアでは、所有権物件との価格差があまりないと定借は敬遠され、長く売れ残って在庫化しやすい傾向があります。一方で、渋谷区などの超一等地であれば、残存期間が35年を切っていても『高い賃料が取れる投資用物件』としてオーナーチェンジ(賃借人が入った状態での売却)で活発に取引されている事例もあります。購入する際は、そのエリアで将来的にどのような需要が見込めるかをプロと慎重に吟味する必要があります」

【まとめ】
定期借地権マンションは、「一等地に安く住める」という大きなメリットがある一方で、将来の売却(出口戦略)を考えたときには所有権以上の難しさがあります。自分が何年住むつもりなのか、売却時の残存期間は何年になるのかを逆算し、ローンのリスクまで織り込んだ資金計画を立てることが失敗しないための絶対条件です。
らくだ不動産株式会社では八巻さんや益山さん、鈴木さんをはじめとするプロフェッショナルが、長期的な資産価値や売却時のローンリスクまでを見据え、お客様に寄り添った最適なアドバイスを行っています。「気になっている定借マンションがある」「将来売れなくなるリスクが心配」という方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。