「人の近くはおいしい」クマと遭遇し ″逃げられない″ 場合は?専門家が教えるクマの習性と、もしもの対処法「テンパったら見境なく襲う」「人を全然恐れていない」(山形)
全国的に熊の目撃などが多発していますが、山形県では今年のクマの目撃件数は8月17日時点で839件と、2003年の統計開始以降で過去最多になっています。
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8月25日には河北町の中心部の住宅街でクマが目撃されたほか、中学生がクマに追いかけられるなどの事案が発生しました。
また、27日は午後6時ごろに三川町の住宅近くで体長1メートルほどのクマ1頭が目撃されました。クマは田んぼのある東の方向に移動したとみられますが、その後目撃情報はなく、行方は分かっていません。
こうした目撃だけではなく、クマが農作物を食べたり、建物の壁を壊したりするなどの物的被害も相次いでいます。
そして人が被害にあうケースも今年は5件発生していてすでに去年の3件を上回っています。
クマが山間部だけでなく街中に出没し、住民の生活に影響が出ることも起きています。もし実際に出会ってしまったらどうすれば...
こうした最近の状況について、専門家に話を聞きました。岩手大学の山内貴義准教授です。
■なぜクマはやってくるのか
岩手大学農学部 山内貴義 准教授「そもそも8月はエサが少ないが、(今年は)猛暑の影響なのか、雨が少ないせいなのかは分からないが、(クマが)かなりエサに困って例年よりもさらにアクティブに動いている感じがする」
山内准教授は街中に出没するクマには特徴がみられると話します。さらに・・・
岩手大学農学部 山内貴義 准教授「若い個体がかなり民家周辺に出ている。おそらくそういった個体は人に慣れている。人間の近くに行くとおいしいものがあると学習してしまって、人を全然恐れていないような熊が増えている」
クマにとって人間は「怖い存在」ではなくなってきているのです。
県内では8月10日、戸沢村で男性がクマに襲われケガをしたほか、8月25日には河北町で、中学生がクマに追いかけられました。
もしクマに出合ってしまった場合どのような行動をとればよいのでしょうか。
■クマがテンパったら・・・
岩手大学農学部 山内貴義 准教授「一番怖いのは、山でも町でもクマを興奮させてしまってクマがテンパっているような状態になってしまうと、見境なく自分の視野に入る人を襲い始めたりする」
山内准教授は大声を出したり驚かせたりして、クマを興奮させないことが大切だとしています。
また、状況によってはクマに刺激を与えず、建物や車の中に逃げ込むことも有効だということです。
しかし、いつでもクマから逃げられる状況とは限りません。もし逃げられない距離でクマと出合ってしまった場合はどうしたらよいのでしょうか。
■目の前にクマ、その時は
山内准教授によると、もしクマから逃げられない距離の場合、「身を守るような態勢をとってもらいたい」とのこと。
その上で「顔やお腹を狙ってくるので、首は手で覆ってうつ伏せになってクマが通り過ぎるのを待ってほしい」と話します。
多少引っかかれたりはする可能性はあるものの、急所となるようなところを自分で守ってやり過ごすしかないようです。
今年の秋はクマの主要なエサであるブナが大凶作になる見込みで、山内准教授は、今後もクマが人里に降りてくる可能性が高いと予想しています。
岩手大学農学部 山内貴義 准教授「単純に草刈りしていれば大丈夫とか、そういった対策だけでは防げない状況もある」
もはや、基本的な対策だけではどうにもならない場合もあるのです。
■街中でも出没に注意を
岩手大学農学部 山内貴義 准教授「もし自分の住んでいる地域で出没があるとか、民家に入って(クマが)なにか食べるとか、一線を越えたような行動をするクマがいるという状況があったら、できるだけ警察や自治体の出す情報に耳を傾けて」
岩手大学農学部 山内貴義 准教授「そのクマが捕獲されるまでは不要不急の外出は控えるとか、戸締りをしっかりするとか、エサとなるようなものは置いておかないとか、そういった対策が必要」
クマが近づいてこないような環境づくりをしつつ、街中であっても出没状況などに注意が必要となっています。
