記事のポイント
カフェインレスの新レシピ導入から15年が経過したフォーロコは、売上が5年で64%増加し、Z世代向けにマーケティングを強化している。 新フレーバーの投入やリブランディング、デジタル広告投資を拡大し、コンビニ市場でのプレゼンスを高める。
インフルエンサーやイベントとのパートナーシップを活用し、ブランドの話題性と独自のアイデンティティを維持し続ける。


フォーロコ(Four Loko)がカフェインなしの新しいレシピを再導入してから15年になり、同社は好まれるフレーバーモルト飲料として自社の地位を再確立することをめざしている。

フォーロコは2005年に、カフェイン入りのアルコール飲料として発売された。最初の製法は2010年に使用されなくなり、このブランドのレシピからはカフェイン、ガラナ、タウリンが除かれた。フォーロコは近年になって、独自のフレーバーの商品ラインを増やし、コンビニエンスストアでの販売を拡大している。たとえば、2025年にはセブンイレブン(7-Eleven)がフォーロコの新しいフレーバーを、発売と同時に扱うようになった。これは、大手小売業者のウォルマート(Walmart)が飲み切り飲料ビジネスの展開の一環として、2024年にフォーロコの販売を拡大したのに続いたものでもある。こうした取り組みの結果、フォーロコの年間収益は5年前と比べて64%増加した。

フォーロコによると、同社のマーケティング戦略は、新しいフレーバーのリリースとともに、このカテゴリーの復活を後押ししている。2月に発売されたカモ(Camo)という最新のフレーバーは、フォーロコのカモプリントのブランディングへのオマージュである酸っぱい柑橘類のフレーバーで、このフレーバーの発売により海外での売上高が前年比で20%増加したと、同社は述べている。ニールセンIQ(NielsenIQ)が2024年7月に発表した、52週間にわたる売上データによると、フォーロコが米国でもっとも売れた新しい飲み切りFMB(フレーバーモルト飲料)であったことが示されている。フォーロコは2025年に、自社の商品ラインを拡大し、強く求められているZ世代の消費者にリーチするためデジタル広告への支出を大幅に増やすことを計画している。

ビール離れが追い風に



フォーロコが成長への投資を行ったのは、ビールの販売が減少傾向の時期で、別の缶入りアルコール飲料への関心が高まっていることを示している。同時に、フレーバーモルト飲料は増えつつあり、2023年の売上高は、前年同期比16.1%増の44億ドル(約6910億円)だった。

フォーロコの親会社のフュージョンプロジェクツ(Phusion Projects)のグローバルCMOを務めるサマンサ・カタリナ氏は、「これまでにないほどの投資をこのブランドに対して行っている」と語る。また、「我々が誰であり、何をしているのかを人々の心に伝えられるのはうれしい」とも付け加えている。

カタリナ氏は、過去4年間においてフォーロコでうまく働いた戦略は、インパクトを最大にするため、毎年の初頭に主要なフレーバーをひとつ発表したことだったと語る。フォーロコは、通常の缶入り飲料のラインナップとは一線を画す独自の名前を持つ、「斬新で独創的な」組み合わせを作り出すことをめざしている。昨年の新しいフレーバーはジャングルジュース(Jungle Juice)で、その前は2023年のギャラクティックパンチ(Galactic Punch)だった。

カタリナ氏は、各種のフレーバーを取り揃えることによって、さまざまな好みを持つ、より多くの顧客を集められると語る。「商品棚でのビルボード効果も期待できるので、多くのSKUを販売すれば売上も増加する」。

コンビニでの存在感を高めるには



過去2年間に、フォーロコははじめての大きなブランド一新も行い、新しいパッケージに変更した。缶には、色を明るいものに変更し、中心に大きなロゴを追加するなどの変更が加えられた。

「消費者はコンビニエンスストアの商品棚で多くの時間を費やさないということがわかっている」とカタリナ氏は述べる。そのため、労力の多くは可能な限り早く人々の注目を集めることに集中している。フォーロコの食料品店での売上高は増加しているものの、商品が飲み切りであることから、同ブランドが最大の売上高をあげているコンビニエンスストアのチャンネルにもっとも適していると、同氏は述べている。同ブランドは、顧客がコンビニエンスストアでフォーロコの商品を見つけやすくなるよう、リテールメディアへの広告支出をしだいに増やしている。

フュージョンプロジェクツの共同創設者でCEOを務めるジェイセン・フリーマン氏は、同社が缶入りアルコール飲料のなかで独自の位置づけにあると付け加える。

「市場はRTD(すぐに飲める飲料)で満ちあふれており、当社の目的はモルト飲料として独自の地位に立つことではない」と、フリーマン氏は語る。刺激的な経験も、その一部だ。「フォーロコの缶を持つことは、羽目を外し、友人と最高の時間を共有し、自分だけの素晴らしいストーリーを生み出すことを意味する」と、同氏は述べている。

「退屈なことはしない」 フレーバーと話題性で攻める



過去15年間の販売において得られた教訓のひとつは、このカテゴリーにおける最大の売りはフレーバーだということだ。「人々は新しいもの、ほかとは違うもの、物事を刺激的にするものを望んでいる」と、同氏は述べる。「フォーロコは規範的で退屈なことはしない。人々が見つけて話のネタにできるようなコンセプトとして、フレーバーを作り出す」。

フォーロコに関するノスタルジアを活かすことについては、何年にもわたって育ててきた風変わりな声に耳を傾け続けると、カタリナ氏は述べる。「楽しみながら文化的に話題性のあることを行って心を動かすのが大好きだ」と、同氏は述べている。この例は、同ブランドが2021年に行ったポストパンデミックのロックダウンキャンペーンで、プロバイダーとのパートナーシップにより、自宅用STD(性感染症検査)キットを250組無償で供与したことだ。このキャンペーンの背後にあったのは、若い顧客が再度人々と交流する準備の手助けをすることで、「また外に出ていく時期が来た。安全にいこう」というキャッチコピーもついていた。

フュージョンプロジェクツには、枠外の思考への特化を反映する、ほかの長期的なパートナーシップもある。これには、ローリングラウド(Rolling Loud)やイーディーシー(EDC)などのライブネーション(Live Nation)フェスティバル、およびバーストールスポーツ(Barstool Sports)やナスカー(NASCAR)の後援がある。同社は、ナスカーのドライバーのライアン・エリス氏のスポンサーシップを4年連続で延長することを発表したばかりだ。「インスタグラム、TikTok、そのほかのネットワークにわたり、多くのクリエイターの統合を行っている。そして、今年は大規模なインフルエンサーのパートナーシップを進めている」と、カタリナ氏は述べている。

Y2Kの波に乗る



カーニーで商品の再デザイン実践を行っているピーイーアールラボ(PERLab)で消費者向けブランドおよびインサイト担当のバイスプレジデントを務めるマインシュ・パリク氏は、フォーロコのようなブランドは現在起きているY2Kの流行も活用できるだろうと述べている。

「ファッションと同様に、食料や飲料などほかの商品やカテゴリーにも同じ概念が適用され、復活するか、若いオーディエンスに合わせて作り直されている」と、パリク氏は語る。しかし、このような種類の商品は、子どもの頃にその商品を見て育ったファンたちではなく、新しい世代に合わせて常に作り直し続ける必要がある。この場合、フォーロコは2000年代に自社の人気を広めたミレニアル世代ではなく、若いZ世代の酒好きな人々を引き寄せようとしている。

インフルエンサーやクリエイターのようなパートナーは、フォーロコを飲んでいる平均的な顧客が、ソーシャルメディアを見て時間を潰していることから、筋がとおっていると、パリク氏は語る。「これらのクリエイターの多くは多数のフォロワーを抱えており、未成年のオーディエンスを対象にしない限り、これらのチャンネルは非常に大きなプラスになるだろう」。

今こそ自分たちのストーリーを語る



肝心なのはまず人々にフォーロコの商品を試してもらうことで、それはブランドが自称している「大胆であること」を貫くため役立つと、フリーマン氏は述べる。「多くの人々は依然として、何年も前に製法が変更され、カフェインは取り除かれたことを理解していない。しかし、高エネルギーで忘れられない経験がひと缶ごとに得られることは今でも変わっていない」。

「カフェインは今後使用しないし、できないだろう。我々は明確に製法を変更し、これまでで最高の味を作り上げた。そして、これまでで最高にクリーンだ」と、カタリナ氏は述べている。

フリーマン氏は、ソーシャルメディアとインフルエンサーマーケティングが標準となる前に、フォーロコがクリエイティブなパートナーシップを本格的に推し進めたのはよかったと述べる。「競争相手が多い市場において、ほかの誰もが自分の居場所を見つけようと試みている」なかで、フォーロコにはブランドのアイデンティティが確立されているという優位点がある。「文化と歴史のなかで自社の地位を強固にできたブランドとして、自分たちのストーリーを語るのには今が適切なときだと感じている」と、同氏は述べている。

[原文:Inside Four Loko’s plan to reinvent itself for Gen Z]

Gabriela Barkho(翻訳:ジェスコーポレーション 編集:戸田美子)
Image via Four Loko