持ち味のFKについて話してくれた山田。写真:塚本侃太(サッカーダイジェスト写真部)

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 今季のJ1リーグ、横浜F・マリノスとの開幕戦で東京ヴェルディに特大の歓喜をもたらしたのは、山田楓喜だった。0-0で迎えた7分、自慢の左足でFKを直接蹴り込んで先制点を決めたのだ。

 「決まった瞬間は気持ち良かったですね」とは山田のコメントである。研ぎ澄まされた感覚で蹴った極上のFKということは、「あの瞬間、完全にゾーンに入っていました」との証言からも分かるだろう。

「普段のリーグ戦で奪うゴールとは違いました。(1993年のJリーグ開幕戦と同じカードで)特別な演出があって、キックオフからそこまで時間が経ってない中でのチャンス。観衆のボルテージが高まったタイミングでのゴールだったので、興奮しました」

 いつもはゴールを決めても歓声はそこまで入ってこない。ひとりの世界でその喜びを噛み締める山田だが、特別な状況だったからか、この時は「鮮明に自分への称賛の声が聞こえてきました」。
 
「今でもめちゃくちゃ覚えていますし、良い感覚を得られた自負はあります。目を瞑って思い出すというよりは、映像で見ちゃいます(笑)。何度も見返していますね」

 それだけ特別なゴールということだろう。

「FKはボールが止まっているから、観衆の皆さんも集中して見てくれる。だから、決まった時の興奮度はめちゃくちゃ高いです。横浜戦のゴールは絶対に忘れることができません。いずれ自分のキャリアを振り返った時も、常に上位に入る得点だと思います」

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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