スコップとシャベルには明確な違いがあった(画像はイメージ)

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【最近気になる注目ワード・62】「スコップ」と「シャベル」はどちらも土を掘るときに使う道具。普段から何気なく使い分けた言い方をしているが、実は明確な違いがあるようだ。元々ややこしい上、さらに東日本と西日本では呼び方が真逆のため混乱するという声も。今回は、「スコップ」と「シャベル」の違いについて紹介していこう。

●大きいのがスコップ、小さいのがシャベルは東日本



 多くの人はサイズによって「スコップ」と「シャベル」を使い分けているが、「大きいほうがスコップで、小さい方がシャベル」と答えた人は東日本の人だろう。

 西日本に住む人に聞くと逆で、「大きい方がシャベルで、小さい方がスコップ」になるという。全く逆の答えにネット上では、「完全に違うから混乱する」「地域が変わると、どっちを指しているのか本当にわからなくなるね」と言った声が上がっている。

 そんな中、スコップとシャベルを明確に区別しているのが産業用のJIS規格。JIS規格によると、シャベルは「上部が平らで足をかけられるもの」であり、スコップは「上部が丸く、足をかけられないもの」とある。JIS規格に沿えば、どちらかというと関西の呼び方が近い。

 また、仕事でこれらを使う人たちは、先が尖っていて穴掘りに適したものを「剣スコップ(剣スコ)」といい、先端が長方形で幅が広く雪などがすくいやすいものを「角スコップ(角スコ)」と呼んでいる。

 「広辞苑」では、「砂・砂利・粘土など軟らかい土質を掘削し、すくうのに用いる道具。匙型鉄製で、木柄をつけたもの。シャブル。ショベル。スコップ」とシャベルは定義されている。

 逆にスコップは、「粉・土砂などをすくい上げ、また混和するのに使う、大きな匙型の道具。シャベル。掬鋤(すくいぐわ)」と記載がある。つまり、どちらにも互いの説明が出てくるほど区別は曖昧だ。

 スコップとシャベルは、JIS規格では明確に定義されていることがわかった。一方で、定義されていても日常使いでは地域差があるという興味深い結論に。他にも地域によって混乱を招く言葉がないか、身の回りの物を調べてみると面白いかもしれない。(フリーライター・井原亘)

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■Profile

井原亘

元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている