メルカリ の返品ポリシー変更が浮き彫りにする、再販マーケットプレイスの課題と売り手の反発
再販プラットフォームのメルカリは3月、より多くの買い手と売り手を集める目的で米国でのマーケットプレイスにいくつかの変更を実施した。販売手数料が不要になり、顧客は理由を問わず返品を行えるようになった。一方、ブランド名や商品カテゴリーなどのさまざまな要素に基づいたサービス料を買い手に請求しはじめた。
しかし、この変更が行われてから2カ月も経っていない5月14日、メルカリは最大の変更のうちのひとつを撤回すると発表したのである。
メルカリの返品ポリシーが浮き彫りにする再販マーケットプレイスの課題
売り手は、買い手は理由を問わない返品はもはや請求できないという通知を受けた。現在では買い手は商品到着後3日以内なら返品手続きを開始できるが、それができるのは非常に限られた場合のみである。
返品リクエストを開始したあと、買い手は商品がリストに記載されている内容と異なるという証拠を24時間以内に提出する。たとえば、配送中に製品が破損したとか、間違った商品が送られたとか、真正性に懸念があるような場合だ。
つまり、購入者は商品に何か問題がある場合に限り返品リクエストを出すことができる。メルカリがアプリ通知で明言したように、「以前の返品ポリシーが復活する」。
メルカリの180度の方向転換は、買い手と売り手の両方を満足させようと試みる際にマーケットプレイスが直面する課題を浮き彫りにしている。メルカリは3月の新しい返品ポリシーを買い手にとって有利なものと位置づけ、売り手にとって魅力的だと同社が考えた新ポリシーと組み合わせた。
しかし、モダンリテールが以前報じたように、Reddit(レディット)のようなソーシャルメディアプラットフォームで売り手からの大きな反発が起きた。
売り手側では、売り手が自分のアカウントから収益を引き出すために支払わなければならない2ドル(約310円)の直接預金手数料など変更の一部が批判され、Change.orgで嘆願書を作成するほどの動きが見られた。
メルカリの広報担当者は声明で次のように述べた。「売り手コミュニティからのフィードバックに耳を傾け、以前の返品ポリシーに戻すことを決定した。5月22日より、買い手には記載が不正確だった商品を返品するための期間が3日間与えられる」。
「当社はメルカリでの売買をできるだけ容易にするための尽力を継続している。この変更により、売り手の時間と労力を尊重しつつ、買い手にある程度の柔軟性を提供することを目指している」と言い添えた。
「ささやかな勝利」「もうメルカリは使わない」売り手からのさまざまな反応
メルカリが以前の返品ポリシーに戻すと5月14日に発表するやいなや、メルカリのサブレディットのユーザーらはこの譲歩を売り手にとってのささやかな勝利として喜んだ。買い物客からは3月に導入された寛大な返品ポリシーがすでに悪用されており、売り手のマージンを損なっていると指摘する人もいる。
あるRedditユーザーはこのポリシー以前の返品は700件中で3件だけだったのに対し、その週だけで4件の返品があったと述べた。また、売り手だという別の人は、取引時に写真とタイトルが明確だったにもかかわらず商品説明の正確さについて異議を唱えられて、メルカリが返品を承認したと報告している。
メルカリにとって、販売手数料の撤廃や容易な返品手続きなどを含む(3月に行われた)最初の数々の変更は、ポッシュマーク(Poshmark)やデポップ(Depop)のような競合他社に対する差別化の手段だった。
その際の発表で、メルカリの米国CEOであるジョン・ラーゲリング氏は、「買い手に不要な商品を返品できることを知ってもらい、安心して買い物してもらえるようにしたい」と述べていた。
「取引を確実にメルカリで行ってもらえるようにするには……どうすればよいかと考えた。当社が取れるもっとも大胆な行動は、販売手数料の廃止を行うことだと判断した」。同氏はまた、ほかのマーケットプレイスが過去数年間で販売手数料を値上げしていることを総じて指摘した。
たとえば、Etsy(エッツィー)は2022年、一販売ごとのトランザクション手数料を5%から6.5%に引き上げている。
メルカリ関連のサブレディットのユーザーの多くはポリシーの撤回を勝利と受け止めているものの、変更後にメルカリを利用することについては売り手と買い手両方の間に依然不安が残っているようだ。
ある売り手は「残念ながらメルカリをまったく信用していないので、戻るリスクは取らない」とコメントした。「新しい返品ポリシー以外にも恐ろしい話が多すぎる。それに、自分の収益を引き出すのに、2ドルの手数料は相変わらずかかる」という。
[原文:Mercari reverses controversial return policy changes]
Gabriela Barkho(翻訳:ぬえよしこ、編集:坂本凪沙)
