【100台売ります】広島の試作屋がつくったイケてる3輪バイク「オーエイゼロ」|オートモビルカウンシル2023|

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オートモビルカウンシル2023(2023年4月14~16日、千葉県・幕張メッセ)では往年の名車や最新モデルが数多く展示された。
 
【画像】試作品製造で培ったノウハウと技を注ぎ込んだオーエイゼロほか作品を写真で見る


その中でふと目に止まったマツダのオート三輪に吸い寄せられるように近づくと、奥には何やらサイバーな雰囲気たっぷりな3輪車両が展示されていた。
 
この車両はオーエイゼロ(OA0)という車名を冠する3輪バイク。手がけたのは「オーエイプロト(OA PROTO)」(https://www.oaproto.com)という自動車の総合試作メーカーだ。
 
ベースとなったのはホンダのジャイロキャノピーで、その外装を取り払い、新たにデザインしたアルミ製のカウルを装着したもの。
 
ジャイロキャノピーは、ルーフキャノピーで雨の日でもぬれにくく、3輪による安定した走行性を有した機動性の高さから配達業務に活用されている。
 
商用イメージの強いジャイロキャノピーに対して、所有欲をかき立てるスタイリッシュなデザインを提案したのがこのオーエイゼロだという。
 
カウルはすべてアルミ成形品に置き換え、無駄なカバーは排除。シンプルで疾走感のある造形を作り出している。
 
そしてこのオーエイゼロは100台限定で実際に販売しているのだ。100人の人が「本当に欲しい」と思ってくれるものを経年劣化するものではなく、経年変化として楽しめ、生き続けられるものを作りたいとの思いから発足した、100年残るものを100個作るという「OA100 PROJECT」の一環で製作された第1弾製品。
 
技術を磨き、挑戦を続けるために
 
オーエイプロトは自動車が量産される前のボディや骨格などの試作部品を作っており、自動車メーカーなどとの取引がメインの企業で、世に出る前のクルマの部品をクライアントの要求に沿って部品を製作、組み立てを行っているという。
 
1964年に広島で創業。創始者が東洋工業の試作部に在籍後独立(当時は大坪鉄工)したという、マツダともゆかりのある企業だ。

さまざまな試作部品を手がけるなかで、技術を磨き、将来につなげるために取り組んだのが冒頭のオート三輪のレストアだった。自動車の試作で培った知識とものづくりの技術を駆使して朽ち果てかけていた車両を見事によみがえらせた。
 
この経験を基に、さらなる技術力の向上と、長く愛され続けるものを作ることを目指し「OA100 PROJECT」を立ち上げたのだという。

換装部品はすべて内製!

オーエイゼロは同社が得意とする金物部品のワンオフ製作技術を駆使して製作。さらには樹脂製スクリーンやシート類のクッションまで社内で製作するのだという。

これまでと違うもの(素材)にも積極的に取り組むのは、「新たな可能性に向けた挑戦」なのだと。

気になるオーエイゼロの価格は150万円! これにはジャイロキャノピー本体の価格(約57万円)も含まれているというが、製造コストもかなりかかることから利益なし、だとか。今までのB to B事業だけでなく、B to C事業へ挑戦することで新たな視野を広げ、B to B事業の成長につなげていく投資でもあるようだ。
 
“捨てるのをためらう”ゴミ箱
 
OA100 PROJECTはさらに第2弾も製作されており、ブース内に展示されていた。
 
美しいゴミ箱「OASIS-I」は、
 
もし、ゴミ箱が美しかったら……、「捨てずに持ち帰ろう」や「美しく捨てよう」と人の気持ちを変えることができるかもしれない。
 
ということから生まれたもので、金属の加工技術を駆使して製作された街頭用ゴミ箱。捨て口部にはゴミ袋を引っかけるリングが付きすっきりとしたたたずまい。重量は約70kgと重い、いや、しっかりとした作りだ。

さらに、OASIS-Iの構造を活用した、美しいディスプレイテーブル「OASIS-II」も製作。ガラストップのテーブルに、コレクションを美しく見せる面発光のステージが内蔵。照明は上下に向けて発光し、情緒豊かな空間を演出する。
 
これらも注文を受け付け中とのこと。

プロジェクトの詳しい内容などは下記にアクセス!
https://oa100.jp
 
〈文と写真=ドライバーWeb編集部・兒嶋〉