通称「無限くら寿司」で世間のGo To Eatキャンペーンへの関心を高めた無添くら寿司。ウィズコロナのニューノーマル時代に即した非接触型サービスの標準装備を進めるなど、飲食業界のスタンダードを一歩先に進める取り組みにも積極的な姿勢を見せています。

12月3日(水)にオンラインにて開催された記者発表会では、アフターコロナの社会を見越し、現状と異なるエリアやターゲットに向けた出店戦略と、12月4日(金)から発売する新メニューが発表されました。

都心部に出店強化へ

くら寿司は新戦略として、人が集中する「都心部」への新たな出店を発表しました。

コロナ禍での外食産業全体の課題として、在宅勤務による都会のオフィスワーカーの減少や、夜の宴席の自粛要請などによる売上低迷が大きな問題に。業界全体では閉店が相次ぐなか、あえてこのタイミングでこれまでと異なるエリアに新店をオープンすることで、コロナ収束後の外食需要拡大への準備と、それに伴う新しい客層へのアプローチを狙うとのこと。

都心部出店の第一弾として、2021年1月19日に渋谷駅前店、西新宿前店の2店を同時オープン予定。価格帯は一皿110円と通常店舗より高い設定となっており、アルコールの拡充や大人向けメニューのレギュラー販売など、都心部のニーズに合ったサービスを提供するとしています。

また、今まで未進出だった「北海道」、ジャパンカルチャーの発信拠点として「大阪」へのグローバル旗艦店の2号店の出店もあわせて発表されました。

大人のための「大人寿司」を展開

12月4日(金)からは、大手回転寿司チェーン初の大人メニューとして「旬の極み 大人寿司」を展開。これまでのメインターゲットだった子連れのファミリー層に加え、新しいターゲットへのアプローチを目指して、第一弾は「瀬戸内ボラの炙り」と「はまちの胡麻醤油漬け」を販売します。

飲食チェーン店によくある「キッズメニュー」ならぬ「大人寿司」は、旬の魚が持つ旨味をより引き出しつつ、食の経験が豊富な“大人”に満足してもらうことを目指したメニュー。開発にあたっては、「魚の伝道師」の異名を持つ、元エリート官僚で元漁師の上田勝彦氏が監修をつとめています。

なんとなく「臭みが強そう」というイメージのあるボラですが、「瀬戸内ボラの炙り」は、臭みがほどんどない瀬戸内海で獲れた沖ボラを使用。“香魚”とも呼ばれ、魚独特の香りを持つボラの個性を生かすため、「焼き切り」という調理法で皮を炙ることで、香りと旨味を引き出しています。さらに、ゆず胡椒をトッピングすることで香りと辛みのアクセントをつけ、大人好みな味わいに。

「はまちの胡麻醤油漬け」は、身の締まりがよくあっさりした味わいの天然ハマチを使用。 天然ものの特徴であるあっさりした味わいを生かすため、九州の漁師がよく食べる「りゅうきゅう」(利休漬け)という調理法を応用。胡麻醤油や薬味で漬け込むことで、天然ハマチ本来の旨味を引き立てています。

いずれも12月4日(金)〜12月17日(木)の限定販売で、価格は1皿100円(税込み110円)。

国内の天然魚を有効に活用するプロジェクトを展開するくら寿司は、上田氏とタッグを組んで今後も旬の国産天然魚を活用した「大人寿司」新メニューの開発を予定しているそうです。

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