'12年にはソロとして紅白に再出場したYUKI

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「元メンバーの3人が、YUKIさんに会うことすらできないと話していますが?」

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 直撃取材に、少し驚いた様子を見せた元『JUDY AND MARY』のボーカル・YUKI。元メンバーたちが望んでいるという“再結成”について、彼女自身はどう思っているのだろうか─。

 『週刊女性』がYUKIを直撃した数日前の6月30日。東京・代官山のライブハウスで《今だから語ってしまおうトークJAM》というイベントが開催されていた。

「'01年に“ジュディマリ”が解散してから初めて元メンバーが語るイベントというので、150枚のチケットは即完売。ベースの恩田快人さんとドラムの五十嵐公太さんが、ファンの質問に答えるというイベントでした。

 開始30分ほどして、客席の後ろからギターのTAKUYAさんも現れて。サプライズゲストの登場に、悲鳴のような大歓声が上がりましたよ」(音楽ライター)

 ファンの中には歓喜のあまり、泣きだす人の姿も。

「元メンバーが3人そろったということはファンにとってジュディマリ再結成を期待させる“大事件”なんです。何度も再結成のウワサが流れては消えているので、待ちきれないという思いなんでしょう」(同・音楽ライター)

 '13年に『週刊女性』が実施した《女性1000人に聞いた 再結成してほしいアーティスト》というアンケート企画では、チェッカーズを抑えてジュディマリが1位を獲得している。

YUKIが圧力をかけて止めている

 TAKUYAは、'93年のデビュー直後の貴重なビデオを流しながら、当時の思い出話を披露し、ファンの質問にも答えた。

─ジュディマリをもう1度やりたいですか?

「もう無理だと思いますね……。トシだから。昔のビデオを見て、もう走れないもんって思った(笑)」

─CDはリマスター(最新のデジタル技術で音質調整)して発売しない?

「(当時の所属事務所でCD発売元の)ソニーに言っているんですけど、進んでいなくて。止めているのは、YUKIなんで。YUKIがソロ活動において、ジュディマリが(再び)出てくると(ソロ活動が)薄らぐらしく、YUKIが圧力かけて止めているから。俺らに言わないで、YUKIに言ってよ。俺は出そうって言っているんで」

─今後、発売の可能性は?

「だから、YUKIに聞いて。ソニーの人は全員、YUKIを恐れているワケよ。解散後、俺はソニーの仕事はしていない。ソニーは、俺に依頼したら怖いと。YUKIさんが怒ったらどうしようって……」

 TAKUYAは冗談めかしながらも、当時のジュディマリには戻れないと言う。

「みなさんでリクエストしてください。YUKIさんのほうにも。たまには同窓会しませんか? ってね」

 と、恩田は続けた。

 トークイベント終了後に、五十嵐を直撃した。

─ファンは再結成を望んでいるようですが?

「今でもジュディマリがみなさんの記憶に残っているということは、うれしいですし、ありがたいですね」

─解散の原因は、TAKUYAさんと恩田さんの対立とも言われていましたが?

「TAKUYAも恩田も、何もわだかまりがないから来てくれた。これが、すべて。このイベント以前にも3人でしょっちゅう会っていますよ」

YUKIさんとTAKUYAさんが、過去に交際していたことを今も引きずっていることはない?

「今は関係ないよ。ふたりとも大人だからさ」

YUKIさんの夫であるミュージシャンの倉持陽一さんも、再結成を許可してくれますかね?

「みんな大人だから、昔のことは気にしないですよ」

─あとはYUKIさんの決断を待つだけですか?

「実は、ソニーには2度連絡して、YUKIに会いたいと伝えました。しかし毎回、折り返すと言われたまま、連絡はありません。彼女のコンサート会場に恩田と行って会いたいと言っても、楽屋に入ることすら許されません」

─みんな再結成したい?

「3人の気持ちは同じ。でも、再結成以前にちゃんと4人で会って、久しぶりに語り合いたい。でも、誰かが“壁”を作っている。YUKI自身は、僕ら3人と同じ気持ちであると信じています」

彼女がやりたくなければ続かない

 ジュディマリが解散したのは、メンバーの仲違いが原因だったとも言われている。

「音楽への向き合い方などの違いが重なり、修復不可能になったということです。TAKUYAさんの発言力が次第に強くなり、リーダーの恩田さんの居場所がなくなって脱退を表明しました。TAKUYAさんとYUKIさんが男女の仲になったことも、不協和音を増幅させたんでしょう」(音楽業界関係者)

 ただ、解散前の'99年に1年間の活動休止期間があり、メンバーたちは関係性を修復したという。

YUKIさんは、ジュディマリ解散前の'00年9月に真心ブラザーズの倉持陽一さんと結婚しています。最後の1年間はバンドとしての活動を再開しているので、わだかまりはないと思いますよ」(同・音楽業界関係者)

 ジュディマリはファン層が広く、再結成を望む声は多い。

「当時から、男女比はほぼ半々。'90年代にリアルタイムで聴いていたファンは30代から50代になっていますが、今でもカラオケで『Over Drive』や『そばかす』を歌っています。YUKIはソロになっても人気なので、若い世代にとってジュディマリは伝説的なバンドですね」(前出・音楽ライター)

 YUKIの意向がカギとなるが、ソロ活動が順調なので、すぐに再結成に踏み切るのは難しいかもしれない。

「彼女は性格的に、過去を振り返ったり、とらわれたりするのが大嫌い。リーダーの恩田さんが脱退を表明した当時、新たなメンバーを入れようとしたTAKUYAさんと違って、YUKIさんは“解散しかない”という考えでした。彼女ひとりが原因ではありませんが、彼女がやりたくなければバンドは続かないんです。それは再結成も同じでしょう」(芸能プロ関係者)

 '17年にYUKIは長年、所属していた所属事務所も辞めて独立している。

 大手事務所に所属する以上、CDのリリースとコンサートツアーが定期的に繰り返されますが、彼女は家庭を第一にして音楽活動を自分のペースで続けたい。YUKIさんは、事務所に所属しているころから自分の理解者だったマネージャーを連れて独立しました」(同・芸能プロ関係者)

 YUKIは自分の思いどおりの音楽活動ができる環境を手に入れていた。

「ジュディマリは、クセのある4人の寄せ集めで、それぞれ音楽的な趣味も違う。恩田さんの脱退を受けて、YUKIさんが解散宣言をしたのは正解でしょう。解散の翌年からYUKIさんはソロ活動をスタート。女性歌手として初めてバンドとソロで東京ドーム公演を行い、紅白歌合戦に再出場しています。現在もチケットはすぐ完売ですよ」(音楽評論家)

 YUKI以外のメンバーも、精力的に活動を続けている。

「ギターのTAKUYAさんは各方面への楽曲提供が多く、バンドを組み、ユニットにも参加しています。『ももクロ』のライブにも出ていますよ。ベースの恩田さんはハードロック界では知らない人がいないほどの一流ミュージシャン。

 フジテレビ系の音楽番組『堂本兄弟』でもレギュラーでしたよね。ドラムの五十嵐さんは多数のバンドをやりながら、音楽学校の校長で経営者です。本人にドラムを教わることができることが、ジュディマリのファンの間では話題になっています」(同・音楽評論家)

 ジュディマリ解散後も、それぞれは活躍している。

「ジュディマリは4人とも曲が書けるんです。ジュディマリ時代の楽曲印税も毎月、振り込まれているはずですから、今お金に困っているメンバーはいませんよ。再結成というと、解散してからボーカル以外の“食べていけない”メンバーが言いだすことがキッカケと思われがちですが、ジュディマリは違います」(前出・音楽ライター)

 YUKIは今年2月にニューアルバムを発売し、全国を回るコンサートツアーは7月に終了。8月には音楽フェス『サマーソニック』への出演も決まっている。

「最新アルバムは12人の一流ミュージシャンから楽曲提供を受け、YUKIさん自身も曲を作っています。“2回目のソロデビューのような、フレッシュなアルバム”と話しているとおりの自信作ですね」(同・音楽ライター)

 やはり、元メンバーや熱心なファンが望もうとも、今のYUKIがジュディマリのボーカルとして再びステージに立つ気はないのか─。

呆然と立ち尽くし数秒の沈黙が

 冒頭の直撃は、7月初旬の朝9時過ぎのこと。都内にあるYUKIの自宅を訪ねると、マネージャーの女性が運転する車が止まり、ほどなくして彼女が玄関から出てきた。キャップに金髪の頭を押し込み、手には真っ白のリュックと傘を持っていた。

─突然すみません。ジュディマリの再結成について、どのようにお考えですか? 元メンバーは、連絡すらとれないようですが?

「……、……」

 呆然と立ち尽くすYUKI

─3人はジュディマリの再結成を望んでいますが?

「……、……」

 数秒の沈黙。すると、彼女が返答するのを遮るように、女性マネージャーが『週刊女性』の前に立ちはだかる。そして、YUKIを車の中へ……。

 そこで女性マネージャーに、かつて五十嵐と恩田がYUKIのコンサート会場へ行って会いたいと伝えても門前払いだったことを伝えると、

「それは、当時は私にも上司がいましたので、そのあたりは、どのように対応したのかはわからない」と答えると、個人事務所の連絡先を告げて、その場を立ち去った。

 後日、改めて個人事務所に取材を申し込んだが、「回答は差し控えさせていただきます」という返答だけだった。

 見えない“壁”を乗り越えて、4人が再び集まる日は来るのだろうか─。