「主力市場のタイは成熟してきている」、商用車2強は海外販売で明暗
いすゞは海外販売の微減を予想。インドネシアで投入した軽量トラックは伸びるが、海外販売の大半を占めるピックアップトラックで新型モデルの切り替え準備などが販売の足かせとなる。片山正則社長は「(主力市場の)タイはこれから急に伸びてはいかない。成熟してきている」と市場環境の変化を分析する。
国内を見ると、排出ガス規制の影響で、前期は小型トラックの駆け込み需要があった。20年3月期はその反動減が見込まれている。特にいすゞは国内販売シェアのトップで、反動減の影響が大きく出そうだ。
利益面では、両社とも原価改善は進めるものの、原材料価格の上昇や為替変動が重しとなる。いすゞはタイバーツの変動が利益を押し下げると見る。日野自の佐藤真一取締役専務役員は「原価改善やトータルサポートの強化などでしっかりと増益を確保する」としている。
一方両社で目立つのが、研究開発費などの将来に向けた先行投資の積み増しだ。商用車にもCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)の対応が迫られている。
いすゞは1000億円を超える研究開発費を計画しており、CASE関連で約3割を見込む。米エンジン製造大手カミンズなどと領域ごとにパートナーづくりも進める。日野自は戦略的投資費用として70億円を見込む。次世代車両の開発のほか、ITによる業務効率化の投資も増やす考えだ。
米中貿易摩擦も懸念材料。日野自の下義生社長は「中国の経済が鈍化すると東南アジアにも影響が広がる」としている。いすゞの片山社長も「新興国通貨が下がるなど間接的な影響が出てくるだろう」と状況を注視している。
