日本の報道各社は20日、靖国神社へのＡ級戦犯の合祀（ごうし）に関する昭和天皇の率直な気持ちを書き残した元宮内庁長官、富田朝彦氏（故人）のメモを大々的に報じたが、中国と韓国の一部メディアも21日、日本向けの電子版でこの話題を伝えている。

　中国共産党の機関紙「人民日報」の電子版「人民網」は、20日付けの朝日新聞の本記と関連記事をほぼ全文掲載し、その中で知識人のコメントの一部やＡ級戦犯14人の名前を紹介した。

　韓国メディアも、同メモを詳しく報道。朝鮮日報は21日の社説で、前日の日経の記事を細かく引用し、最後に「日本の政治指導者による靖国参拝は、今年９月に退く小泉と一緒に姿を消すべきだ」と結んでいる。また、「安倍官房長官を揺さぶる『富田メモ』」との見出しで、この問題が秋の自民党総裁選に投げ掛けた波紋の大きさを測るような内容の特派員電を掲載。さらに、靖国�端劼砲弔い董◆崗赦妥傾弔里燭瓩棒鏤爐靴娠冦遒鱆�る場所であり、靖国が祀っている247万の英霊のうち、213万の英霊が太平洋戦争の犠牲者だ」と説明を加え、「靖国に祀られた英霊の86%が昭和天皇のために戦死した英霊ということになる」と指摘している。

　中央日報も、東京発の特派員電で日経の「富田メモ」に関する記事を紹介、「靖国参拝問題」が総裁選の最大の争点として浮上するのではとないかと予想している。その一方で、聯合通信とKBSテレビの日本向け電子版ではこの問題についてまったく触れておらず、韓国メディアの中にも温度差があることがかいま見られた。【了】

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