元旦にテレビ神奈川の「緊急生討論!新生 横浜ベイスターズ 」に出演した。テレビ神奈川では毎年、本社1階のロビーにファンを集めて年越しライブをやっているのだが、今年は球団の経営体制が決まっていなかったため、ファンをほとんど呼ばずに「有識者」だけを集めて討論会をやることになった。司会は、松岡俊道アナウンサーと三浦綾子アナウンサー(tvk)で、出演者は浅井信雄氏、軍司貞則氏、斉藤明雄氏、栗原治久氏、大木穂高氏(スポニチ記者)だった。例年は、球団の経営者も参加するのだが、今年は(株)ディー・エヌ・エーの春田会長にも出演を依頼したのだが、かなわなかった。

 春田会長が番組にこないということが分かった時点で私は落胆した。地元のファンを大切にすると言いながら、年初の地元のベイスターズのお祭りに参加してもらえないということ自体が、本当にベイスターズを大切にしてくれるのかという疑問を高めたからだ。

 正直言って、私はディー・エヌ・エーの持っている資金に期待していた。経常利益の1割をベイスターズにつぎ込んでくれれば50億円以上。それだけのお金があれば、相当な補強ができると思っていたのだ。

 ところが、小池選手こそ戻ってくるものの、本格的な補強はまったくと言ってよいほど進んでいない。それどころか、三浦投手の年俸交渉では、新しい年俸を1億5000万円+出来高と、年俸半減を決めた。確かに昨年の前半戦は出遅れたが、後半は頑張っていた。こんなことをしていたら、強い選手が流出していく事態は、止まらないのではないか。

 結局、大型の補強が進まないなかで、私が番組で示した理想のスタメンは以下の通りだった。

1番 ショート 渡辺
2番 センター 荒波
3番 ライト 下園
4番 レフト ラミレス
5番 サード 筒香
6番 ファースト 中村紀洋
7番 セカンド 藤田
8番 キャッチャー 鶴岡
9番 ピッチャー 高崎

 中村をファーストにしたのは、松井秀喜がベイに来るかもというスポニチの報道に対応するためだった。しかし、松井が日本に戻って来るということ自体が、スポニチの大木や軍司氏に否定されてしまった。

 結局、他の出演者が示した理想のスタメンも、私の示したものと似たりよったりで、これをみたら、やはり今年のベイスターズは、最下位になりそうだ。そうすると5年連続の最下位になる。もはや、ベイスターズは、東京六大学の東大みたいになっている。今年も残念ながら、ベイスターズファンは、ぼやくしかなさそうだ。

■森永卓郎「ハマスタから遠吠え」
第七回〜ベイスターズは大丈夫
第六回〜DeNAはベイスターズの文化を変えるな
第五回〜ユニクロいいかもしれない
第四回〜ショウアップナイター
第三回〜なぜベイスターズは弱いのか
第二回〜私がベイスターズに望むもの
第一回〜私がベイスターズファンになった理由

森永卓郎(もりながたくろう)
昭和32年生まれ 東京大学経済学部経済学科卒業
日本専売公社、経済企画庁総合計画局、(株)UFJ総合研究所などを経て、現在、獨協大学経済学部教授。専門は労働経済学。主な著書に『年収300万円時代を生き抜く経済学』光文社2003年、『しあわせの集め方 B級コレクションのススメ』扶桑社2008年など多数。
森永卓郎オフィシャルWEBサイト