なぜベイスターズは弱いのか

 わがベイスターズはシーズン終盤にかかろうとしている今でも、12球団ぶっちぎりの低勝率にあえいでいる。いつものことだから、それほど落胆しているわけではないが、もう少し勝ってほしい。なぜこうも弱いのかといえば、その根本原因はお金がないからだ。お金がなければ、よい選手が採れないし、よい選手は他球団に出て行ってしまう。残念ながら、それがプロ野球の世界だ。

 では、どうしたらお金ができるのか。一番手っ取り早いのは、お金持ちにスポンサーになってもらうことだ。そして、いま一番お金を持っている業界は、IT業界だろう。現に、ホークスもイーグルスも、ソフトバンクと楽天にスポンサーが変わってから、確実に強くなった。だから、ベイスターズもお金持ちのIT企業が買収してくれたら、強くなるのではないかと思った。

 ライブドアのサイトでこんなことを書いてよいのか分からないが、いまIT企業で一番お金を持っていそうなのがグーグルだ。そこで、私はグーグルの社員にベイスターズを買ってくれないか打診した。

 もちろん、私はベイスターズに何の権利も影響力も持っていない。だから、一人のファンとして、勝手に営業活動をしたのだ。

 グーグルは取り付く島がなかった。「原則として、ITビジネスにしか、投資はしない」というのだった。先日、米グーグルがモトローラ・モビリティ・ホールディングスを買収したというニュースが流れた。私は思った。やっぱり、IT関連への投資なのだ。ベイスターズではなく、モトローラなのだと。

 しかし、こうなったらライブドアにお願いするしかない。本当は、横浜グーグルベイスターズがよいと思っていたのだが、横浜ライブドアベイスターズでもよい。資金面で若干の不安はあるが、昔近鉄を買収しようとしていた時代もあるのだから、ここは一つ立ち上がって欲しい。

 そのために、ライブドアにはどんどん稼いで欲しい。稼いで、稼いで、その資金をベイスターズに注ぎ込んで欲しいのだ。

 ちなみに、私は神奈川県にも、横浜市にも、ベイスターズへの公的資金注入をお願いしたことがある。財政が厳しくて、そんな余裕はないということだった。官が動けないときは、民間の力だ。本当は、私自身も私的資金を注ぎ込みたいのだが、残念ながら、たまにハマスタに出掛けるのと、ホッシー君のグッズを買うくらいしか、力がない。

森永卓郎「ハマスタから遠吠え」
第一回〜私がベイスターズファンになった理由
第二回〜私がベイスターズに望むもの

森永卓郎(もりながたくろう)
昭和32年生まれ 東京大学経済学部経済学科卒業
日本専売公社、経済企画庁総合計画局、(株)UFJ総合研究所などを経て、現在、獨協大学経済学部教授。専門は労働経済学。主な著書に『年収300万円時代を生き抜く経済学』光文社2003年、『しあわせの集め方 B級コレクションのススメ』扶桑社2008年など多数。
森永卓郎オフィシャルWEBサイト