★珍蔵:
大晦日に紅白歌合戦の最初だけ見たが、「なでしこJAPANのみなさんです!」と紹介されて、なでしこJAPANの一部の人がでてきたのだが、なんとINAC神戸のユニフォームを着て出てきた。日本代表のユニフォームを着られない事情が何かあったと推察するが、物凄く不自然さを感じた。チームの異なる代表選手が自分のチームのユニフォームを着て出て来るならまだ分かるが、1チームのユニフォームを着てぞろぞろ出てきたのには「え?なんで?」と言う感じだった。

司会者がその理由を軽く説明するのかと思って見ていたが、そんな説明はなかった。どんな理由があるにせよ、視聴者の違和感を無視して自分たちの都合で番組を作るTVのやり方はNHKも変わらないのだな、と思った。はたまたサッカー協会側の問題なのか。もちろん出ていた彼女達は日本代表には違いないのだが。

■万吉:
サッカー協会側の問題ではないのか。いずれにせよ、何らかのクリアできない権利関係があったのだろうが、あらかじめ契約段階で紅白出場時のような事態にはユニフォームを着用できるようにしておくべきだろうな。代理店のような中間業者をのさばらせると、権利がどうだこうだとこんがらかるばかりだ。事情が錯綜するほど手数料が稼げるからな。

「なあなあ」でやれるものら「なあなあ」で済ませたほうがコストはかからないし、結果としてもうまくいく。TPPでリアルな商品の輸出入が活発になるのはいいが、アメリカの弁護士が四の五の言いはじめると困る。アメリカはアジアのビジネス風土を人治主義で未開だとか非難するが、アメリカのような歴史の浅い人口国家は紙に書かれた法律だけでしか物事を解決するすべがない。だからヤケドをしたのは熱いコーヒーをだしたマクドナルドのせいだから何百万ドルも払えなどというトンデモ裁判がまかり通ることになってしまう。

ところで女子サッカーも川渕さんというか、サッカー協会が管轄しているのか?

★珍蔵:
サッカー協会の管轄。ちなみに川淵さんは今は名誉会長だ。

■万吉:
アメリカのスポーツビジネスはビジネスオペレーションとフィールドマネジメントを明確に分離させている。ビジネススタッフにはMBA取得者がたくさんいる。 日本はそこが曖昧だから利権が個人や特定の派閥に集中してしまう。ナベツネもその典型。スポーツに関してはアメリカのほうがずっと先をいっている。というか日本は異常な感じがする。

サッカー協会の幹部はみな現場出身なのか?


★珍蔵:
殆どが選手経験者だと思ったが。小倉さんぐらいかな、選手じゃなかった人は。

アマチュアスポーツ界に良く見られるな、功労者が幹部みたいな組織。単純な話、このスポーツはやったものにしかわからない、という考えが横行しているのだろう。しかしそれが過ぎると、極端に偏ったスポーツ村になってしまう。相撲協会がいい例だ。特にアマは名をあげた選手が幹部になるが、そのスポーツで世界一になるには若いときのすべての時間を捧げなければならず、そういう勉強などしてこなかった者が人の上にたつ事になる。結果、妙なセクショナリズムなど歪みが生じる。

サッカー協会は上部組織が功労者的&同じ学閥で固めているとか揶揄されているが、それでも結果を出している。現実的に日本代表は強くなって韓国や中国に日本の強化を見習うべし、などと言われているわけだから。

■万吉:
不毛の地からJリーグを立ち上げここまでもってきたわけだからな。

一般的な話をするなら、革命を成功させたら功労者は裏方にまわり表舞台をテクノクラートに任せなければならないのが歴史の教訓だ。といっても革命家は新政府の権力者となり、今度は弾圧する側に回るというのがいつの時代でもどの分野でも繰り返されているが。