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アルコールの過剰摂取が死を引き起こすことはよく知られていますが、水を飲み過ぎても脳が膨張して死に至ったり、身長が高くなりすぎても長生きできなかったりと、物事があるラインを越えると死のリスクが急激に高まります。そこで、食べ物・高度・無酸素状態などについて、「どの程度になると人は死に至るのか?」ということがムービーで公開されています。

This Much Will Kill You - YouTube

世の中にはたくさんの「毒」が存在しますが、どのくらいの量の毒で人が死ぬのかは毒の種類によって異なります。例えば、水銀は200mgで一人分の致死量に達すると言われていますが、一方で強い放射能を持つポロニウムは1gあれば5000万人もの人を死に至らしめることが可能です。



しかし、必ずしも「毒物」とされるものだけが人体に悪い影響を与えるとは限りません。日常的に飲まれるコーヒーでも70杯飲めば、カフェインで体重70kgの人の心臓を止めることが可能です。



アルコールは種類にもよりますが、ショット13杯で人を死に至らしめます。



これは、アルコールが脳のうち、生命維持を担う肺や心臓といった機能のコントロールを行うエリアを抑制する働きがあるため。



たくさん飲む方が体にいい、と言われる水にも致死量があります。6リットルの水を飲むと、血液中のナトリウム濃度が下がり、おう吐や頭痛を起こしたり、脳が膨張して最悪の場合は死ぬ恐れがあるとのこと。



しかし、極端に水を取らなかったり塩分を取りすぎたりすると、今度は高ナトリウム血症になる可能性があります。



小さじ48杯の塩を一度に摂取すると、高ナトリウム血症によって錯乱・けいれんなどが引き起こされ、これも最悪の場合は死に至ります。



水の中に顔を沈められた人は、4分で脳に損傷を負い、6分で死にます。



しかし、ダイバーなどは例外。ドイツ人ダイバーのトム・シータさんは20分以上水中で息を止められるとしてギネスブックにも認定されています。



また、水がなくても人の体から酸素を奪うことは可能。サクランボの種には青酸が含まれており、多量摂取によって青酸がシトクロムcオキシダーゼと結合するとその活性を抑えてしまい、体内で酸素の供給が行えなくなってしまいます。サクランボの種は食べ過ぎないように。



また、酸素に関係することで言えば、世界には人間が生存できないほど酸素濃度が低い高所「デスゾーン(死の領域)」が存在し、低酸素状態が身体機能の悪化や意識の低下を引き起こし、人を死に至らしめることで知られています。アルピニストの野口健さんによると、「8000メートル級の高山には微生物もいないのか、遺体はほとんど腐敗しない」とのことで、エベレストの山頂付近には回収されないままの遺体がゴロゴロしているとのこと。



人間も高身長すぎると死のリスクが高まります。1918年生まれのロバート・ワドロー氏は死ぬまで身長が伸び続け、272cmもあったと知られていますが、高すぎる身長は循環系を圧迫して骨を砕くなど体に対する負担が大きく、22歳という若さで死亡しました。現在の研究では、身長が1インチ(約2.5cm)高くなると寿命が1.3年短くなると言われています。



ペットの寿命を気にする人であれば、大量のチョコレートを与えるのはアウト。犬や猫はチョコレートに含まれるテオブロミンを排泄できずに体にためていき、チョコレート中毒を引き起こしてしまいます。



もちろん大量に摂取すれば人間にとっても有毒で、テオブロミンの致死量は1000mg/kg。板チョコレート85枚を一気食いすると死に至ります。



板チョコ85枚とまではいかなくとも、大量にチョコレートを摂取するとハイになります。この点、同じハイでも、マリファナの場合は22kg分をもぐもぐ食べると死の危険性があります。



しかし、煙草のように吸う場合は680kgを摂取しないとオーバードースは引き起こされません。



そして、例え音楽が好きな人でも185dB以上では聴かないこと。肺が破裂し、塞栓によって心臓がダメージを受けるためです。なお、地球上で記録された最も大きな音は172デシベルであるとされています。



「眠りと死の関係」もよく言及されるところ。強制的に眠りを妨げられ続けたマウスは2週間で死亡しましたが、「11日間眠らなかった」としてギネスブックに認められた人が、眠らないことを理由に死亡することはありませんでした。精神的な変調はあるものの、現在のところ「眠らないと人は死ぬのか?」という問題に結論はでていません。