「背景にはあの“事故”も…」 交流戦までは「台風の目」だったヤクルトが失速… 数字が物語る「若手の息切れ」とオスナの“悲劇”
開幕前は最下位予想が相次いだヤクルトが、一時は首位争いを演じて球界を驚かせた。ところが交流戦以降は勢いを失い、投打の数字は急降下。快進撃はなぜ止まったのか。その背景には、若手主体のチームが抱える課題と、オスナを巡る思わぬ出来事があった。
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投打ともに数字は急落
プロ野球前半戦が終了したが、セ・リーグの話題を席巻したのは良くも悪くもヤクルトスワローズだった。“良くも”というのは交流戦前までの快進撃、“悪くも”はその後の急降下のことである。
2022年にはリーグ優勝を果たしたヤクルトだったが、23年、24年は5位、昨年は最下位6 位に沈んだ。今季は、監督が池山隆寛氏(60)に刷新された。

交流戦開幕直前の5月25日時点のヤクルトは、首位阪神と0.5ゲーム差のリーグ2位という好位置につけていた。
チーム打率は2割4分1厘(同2位)、168 得点は同2位。29本塁打も同2位と好調だった。チーム防御率3.25、148失点はともにリーグ3位だった。
それが、前半戦を終えてどうなったか。
チーム打率は2割3分1厘(同4位)、289 得点は同5位。56本塁打は最下位である。そして350失点はリーグ5位に、チーム防御率3.54はリーグ最下位まで落ち込んでしまった。
つまり、投打ともに全てにおいて成績が大きくダウンしてしまったのである。チーム順位こそ3位に踏み止まっているが、首位阪神・巨人とのゲーム差は6.5に開いた一方で、4 位DeNAには4差に迫られている。
選手たちが息切れ?
「交流戦までが良すぎただけとも言えますよね。ネットでは“失速ではなくて収束”と揶揄されているのだとか」
スポーツ紙デスクが苦笑する。
「昨季は最下位なのに、オフに大きな補強がないどころか、村上宗隆という主砲をポスティングで失った。そんななかで今季、池山新監督が積極的に起用したのは既存のレギュラーではなく、これまで2 軍で燻っていたような選手たちでした。実績も知名度も乏しい彼らは抜擢にこたえようとがむしゃらに奮起する。それで開幕ダッシュに成功したのです」
しかし、交流戦スタートという節目で“イケイケどんどん”の勢いが止まってし
まった。
「“実力のパ”相手では、さすがに勢いだけでは勝てません。加えて、年間通じてプレーした経験がないですから、選手たちが相次いで息切れしてしまったというのもあります。ただ、ようやくチャンスが巡ってきた彼らは必死にプレーするしかなく、“ペース配分”なんかできるわけがありません」
つまり、彼らが息切れするのは十分想定しうることで、本来は彼らに代わる選手たちが次々とその穴を埋めるべきだった。だが、それができなかった。
「新たな若手が出てくれば良いのですが、いかんせん選手層が薄い。かといって、ベテランの奮起もなかった。そうなると残るは助っ人外国人なのですが、それにブレーキをかける“事故”が起きてしまった」
影が差すあの“事故”
4月16日のDeNA戦のことだった。ホセ・オスナ(33)のバットがスイング時に手からすっぽ抜け、川上拓斗球審の頭部を直撃する事故が発生した。球審はただちに救急搬送されたが、今なお治療が続けられている。28日、オスナは出場選手登録を抹消された。来日6年目にして故障以外で初めてのことだった。
「打撃不振のためとされていますが、その原因も含めて、背景に“事故”があったことは否定できません」
当時の打率は2割4分7厘。5月12日に1軍復帰するも打棒は湿り気が増す一方で、打率2割2分2厘に下がった7月6日に二度目の登録抹消を受けたのだった。
もっとも、失速したとはいえ、開幕前にほとんどの解説者が最下位と予想したチームが今なおCS 出場圏内の3 位につけているのである。十分に健闘しているというべきだろう。
「“投手を8番打者に起用”とか“犠牲バントをしない”といった池山采配は、負けが込んでいる今でこそ批判されていますが、調子が良いときは賞賛されていました。要するに評価は結果次第ということ。たしかに交流戦までは強かったのですから、そこは選手たちも自信を持って良い。池山監督も選手たちを信じて来季につながるような指揮を執ってほしいですね」
後半戦も池山スワローズから目が離せそうにない。
デイリー新潮編集部
