現在の米国政治におけるより大きな流れは、社会主義の台頭というよりも、資本主義や経済的公正さに対する信頼の低下かもしれない/Michael Nagle/Bloomberg/Getty Images

(CNN)トランプ米大統領は、今年の中間選挙に向けた主な戦略はことあるごとに民主党を「社会主義者」、さらには「共産主義者」と呼ぶことだと示唆している。最近の民主党予備選では、民主社会主義が以前よりいくらか足場を固めつつあることを示す証拠もある。

しかし、現在の米国政治におけるより大きな流れは、社会主義の台頭というよりも、資本主義や経済的公正さに対する信頼の低下かもしれない。

そして新たな世論調査は、右派の間でも幻滅が高まりつつあることを改めて示している。

最近のFOXニュースの世論調査は、昨年のギャラップのデータと重要な点で一致している。社会主義に対する見方はわずかながら改善している一方、資本主義に対する見方はより大幅に悪化しているのだ。

資本主義に対する評価は、2019年にはプラス30ポイント(登録有権者の57%が好意的、27%が否定的)だったが、現在はプラス4ポイントにすぎない(好意的が50%、否定的が46%)。

この調査では、「制度は富裕層を優遇するよう仕組まれている」との見方にも有権者の65%が同意している。トランプ政権1期目の56%から上昇した。

この二つのデータで最も際立っているのは、特に大きな変化の一部が共和党支持者の間で起きている点だ。

19年には共和党支持者の72%が資本主義を好意的に見ていたが、現在は61%に低下。資本主義に「非常に」好意的な見方を持つ共和党支持者の割合も、54%から41%に減少した。

同様に、制度は富裕層を優遇するよう仕組まれていると答えた共和党支持者の割合は、18年の30%から現在は42%に上昇した。

強調しておくと、自由市場を支持していると主張する共和党の支持者でさえ、資本主義に非常に好意的な見方を持つ人は今や半数に満たない。さらに42%が米国の「仕組まれた」経済という、左派のバーニー・サンダース上院議員を彷彿(ほうふつ)とさせる考えに賛同している。

この調査結果は米国民が自国の経済システムに幻滅していく様子を端的に物語っている。これ以上わかりやすいデータを見つけるのは難しいだろう。

しかも、こうした傾向を示す調査はこれだけにとどまらない。

・6月に実施された米紙ウォールストリート・ジャーナルとシカゴ大学の世論調査センターNORCの世論調査によると、資本主義が「ある程度」でもうまく機能していると答えた国民は半数に満たなかった。約10年前の60%から低下した。

・ピュー・リサーチ・センターが1月に実施した世論調査によると、富裕層が公平な割合の納税をしていないと感じ「非常に」不満だと答えた人は61%。共和党支持者と共和党寄りの無党派層でも41%に上った。

・同じ調査では、一部の企業が公平な割合の納税をしていないことについても、全体の60%、共和党寄りの有権者の42%が同様に「非常に」不満だと答えた。

・ギャラップのデータによると、大企業に対する評価は12年にはプラス19ポイント(好意的が58%、否定的が39%)だったが、昨年にはマイナス25ポイント(好意的が37%、否定的が62%)に転じた。

これらを踏まえれば、社会主義と呼ばれるかどうかにかかわらず、経済システムの抜本的な改革を公約する候補者が、有権者により魅力的に映る理由は容易に理解できる。

また、社会主義や民主社会主義が依然としてかなり不人気であるにもかかわらず、全米規模の世論調査で最も高い評価を得てきた政治家の中に民主社会主義者がいる理由も、これで説明がつく。

サンダース氏(バーモント州・無所属)は、過去10年間で知名度の高い政治家として最も良好なイメージ評価を得ていたかもしれない。共和党が長らく恐ろしい存在と印象づけてきたにもかかわらず、アレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員(ニューヨーク州・民主党)がまずまずの評価を得ていることを示すデータもある(FOXニュースの調査では、オカシオコルテス氏の評価はバンス副大統領に並ぶが、どちらも人気があるわけではない)。

保守系コメンテーターのメーガン・マケイン氏は先週、民主党が民主社会主義者のマムダニ・ニューヨーク市長のように経済問題を語れる人物を指名すれば、共和党は「とてつもなく大きな問題」を抱えることになると主張した。

「マムダニ氏の発言の語り口は見事だ」とマケイン氏はX(旧ツイッター)に投稿。さらにこう付け加えた。「社会主義に心底恐怖と嫌悪を感じているが、それでもインパクトは大きい。民主党が賢明なら、経済政策や国政について、彼のような傾向と語り口を持つ人物を指名するだろう」

そこには確かに一理ある。そして候補者を社会主義者や共産主義者だと批判することは、トランプ氏が考えているほどの決定打とはならないかもしれない。

本稿はCNNのアーロン・ブレイク記者による分析記事です。