ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)

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 7月17日、参議院本会議にて改正皇室典範が賛成多数で可決・成立した。これに伴い、象徴天皇制や帝王学への関心がこれまで以上に高まっている。

【写真】愛子さまと佳子さま

 そんななか称賛を集めているのが、愛子さまの「静かで美しい所作」だ。臨床心理士の岡村美奈さんが、皇族方のなかでも愛子さまだけが持つ佇まいの理由について考察した。

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 帝王学とは何なのか。一般国民にとっては計り知れないものだが、政治学者の御厨貴氏が、愛子さまの所作からその「凄み」を目の当たりにしたと、月刊『文藝春秋』が実施した座談会で語った。

 座談会に出席したのは、御厨氏の他に作家の林真理子氏と元首相の野田佳彦氏。テーマは、改正皇室典範のひとつである「旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える」案について。文春オンラインにもその座談会の様子の一部が掲載されている。

 今年1月、御厨氏が「講書始の儀」で「オーラル・ヒストリーとは何か」をテーマに皇族方に話した時のこと。愛子さまは本当にピタッと止まっていたが、人形のように不自然ではなく表情も豊かだったことに驚いたと語った。

「他の皇族方ともちょっと違うんですよ」
「子どもの頃から訓練されているから、歌舞伎など伝統芸能の襲名のように、皇族の方は即位すると”化ける”。ご自覚を持って化けるんです」

 ボディランゲージの観点から見ると、ピタッと止まりながら、表情は豊かにというのはものすごく難しい。だが愛子さまは、身体はまったく動かないのにそれが不自然ではなく、人間味のあるしなやかな静寂を保っていたようだ。

身体を止めるということ

 人は「動いてはいけない」と意識すると、緊張から全身の筋肉がこわばり、まるで人形のように不自然に凍りついた状態になってしまう。しかし、本当の意味で止まるというのは、余計な力を抜いてリラックスした状態を保ちながら、体幹や体の軸を完全に安定させなければならない。これには、並みはずれた身体感覚のコントロールが求められ、一朝一夕でできるものではない。

 普通は感情や興味、疲労などによって、呼吸に伴って肩が上下したり、無意識に首を動かしたり、身体を揺らしたり、手を動かすものだ。米国のトランプ大統領を見ればわかるが、彼は式典などでじっと止まっていられない。

 身体を止めると表情も固まることが多くなるが、身体の動きに反して表情は豊かだったという愛子さま。表情によって、話に共感し理解しているというポジティブなフィードバックを相手に返していたことになる。

 これは途切れることのない集中力があり、相手に対する敬意とともに傾聴する姿勢がなければ難しいものだ。表情が豊かなことで、愛子さまの静止は能動的な静寂として受け止められ、御厨氏にとっても、自分の言葉がしっかりと相手の心に届いているという深い手応えがあったことだろう。

愛子さまは"能動的な聞き手"

 御厨氏が感じた「他の皇族方ともちょっと違う」という受け止めは、なぜ起きたのか。

 皇族方がさまざまな式典や儀式で、当然のように身じろぎもせず静かに傾聴されている姿を拝見するが、愛子さまのそれは一線を画すものだったようだ。

 他の皇族方は、礼儀正しく話を聞いている"受動的な聞き手"としての佇まいだったが、愛子さまは静止しているにもかかわらず、表情を豊かに、まるで双方向でコミュニケーションを取っているかのような"能動的な聞き手"としての存在感を持っていたように思えたということなのだろう。

 愛子さまの佇まいは、幼少期からの「見られる立場」としての自覚やご家族から引き継がれてきた帝王学、そして何よりご本人の持つ豊かな人間性がごく自然に調和した、別格の美しさと風格を持ち始めている。だからこそ、他の方とは「ちょっと違う」凄みを御厨氏は感じ取ったのではないだろうか。