金価格は一時「2万9000円」だったのに「2万3000円」に下落…損失が“60万円”出たけど「安全資産」なのに、なぜ急に下がったのですか? まだ下がるなら、買わないほうがいいでしょうか?
金価格はどれくらい下がっている?
国内の金価格は一時、1グラム2万9000円を超える水準まで上昇しました。しかし、その後は下落し、2026年7月上旬時点では2万3000円くらいまで値下がりしています。
わずか数ヶ月の間に1グラムあたり6000円程度下落したことになり、高値で購入した人にとっては大きな値動きといえるでしょう。
なぜこれほど金価格が下がっているの?
今回の下落には、いくつかの要因が重なっていると考えられます。例えば、アメリカの利下げ期待が後退し、高金利が長引くとの見方が強まったことです。金は利息を生まない資産のため、金利が高くなると債券や預金などの利回り資産へ資金が移りやすくなります。
また、ドル高が進んだことも要因の1つです。高い利回りを求める投資家が金からドルに資金を変え、相対的に金価格が下がった可能性があります。さらに、これまで大きく値上がりしていたことから、利益を確定するための売りが増えたことも下落要因として考えられるでしょう。
高値で買った人はどれくらい損している?
例えば、1グラム2万9000円のときに100グラム購入したケースを考えてみましょう。この場合、購入金額は2万9000円×100グラム=290万円です。
その後、価格が1グラム2万3000円まで下落すると、現在の価格は2万3000円×100グラム=230万円となります。つまり、60万円(290万円-230万円)の含み損になります。
今後もさらに下がる可能性はある?
今後さらに下がるのか、それとも反発するのかを正確に予測することは誰にもできません。今後も金利動向や為替相場、地政学リスクなどによって価格が上下する可能性があります。投資判断では、将来の価格は誰にも分からないという前提を持つことが大切でしょう。
長期では上昇傾向が見られた
短期的には下落しているものの、長期で見ると金価格は上昇してきました。背景には、世界的なインフレや地政学リスクなどがあります。
また、株式市場が大きく下落した局面では、安全資産として買われることも少なくありません。もちろん、今後も同じように上昇する保証はありません。
しかし、長期的な資産分散の1つとして金を保有する考え方は現在もなくなってはいないでしょう。
一括購入と積立購入、どちらが良い?
まとまった資金がある場合、一括で購入するか、毎月少しずつ積み立てるかで迷う人も多いでしょう。一括購入は、その後価格が上昇すれば大きな利益を期待できます。一方で、購入直後に価格が下落すると、大きな含み損を抱えるかもしれません。
これに対し、積立購入は価格が高いときは少なく、安いときは多く購入できるため、購入価格を平準化しやすいというメリットがあります。価格変動のある資産だからこそ、一度に投資することへ不安がある人には積立投資も有力な選択肢といえるでしょう。
金投資のメリット
金投資の大きなメリットとして、資産分散効果が期待できることが挙げられます。金は株式や債券とは異なる値動きをすることがあり、資産全体のリスクを抑える役割が期待されています。また、世界共通の価値を持つ実物資産であることから、インフレや経済不安への備えとして保有する人も少なくありません。
一方で、金は配当や利息を生まない資産です。価格が上がらなければ利益は得られないため、投資資産全体の一部として保有するという考え方が一般的といえるでしょう。
まとめ
金価格の直近の下落は、高金利の長期化観測やドル高、利益確定売りなど複数の要因が重なった結果と考えられます。今後さらに下がる可能性もあれば、反発する可能性もあり、将来の値動きを正確に予測することはできません。
そのため、一括購入だけでなく積立購入を活用しながら、長期的な資産形成の一環として金投資を考えるのも1つの方法です。短期的な価格の上下だけに一喜一憂せず、自分の投資目的に合った運用を心掛けたいところです。
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

