他民族や他宗教に対する差別はどのように生まれてしまうのか?【社会心理学】

写真拡大

他民族や他宗教に対する差別はどのように生まれてしまうのか?

外集団への認知が差別と偏見を生む

ジェノサイドとは、他民族や他宗教の人を徹底的に弾圧し、最終的に集団殺戮を行う行為を言います。普通に生活していれば、あまり意識することのない現象ですが、これまでの人類の歩みの中で、多くのジェノサイドが行われてきました。ナチスによるユダヤ人の虐殺などは、その顕著な例です。では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

人は、自分の所属する集団(内集団)以外の人の集まり(外集団)を差別したり、迫害したりという状況に陥ることがあります。これは、内集団の人たちと、外集団の人たちとでは、接する距離や時間が違い、認知に差が出てくることに原因があります。自分と親しくしている人に対しては、その人の外見や性格も熟知しているため、「個人」として見分けがつきます。しかし、あまり接することのない外集団の人に対しては、あくまでも「集団の一員」という認識しか持てなくなるのです。

そのような認識の中で、人は内集団の方が優れていると思いたがる傾向が出てきます。すると、集団としてしか見ていない外集団の人たちを、「悪魔」や「虫けら」という差別的な目で見るようになっていき、殺戮という悲劇へと結びついていくのです。

このような集団差別の一例として、世界中で数多くの言語が使われている点が挙げられます。特定の言語を話すことは、その集団の構成員である何よりの印だったのです。祖先は1つだったと考えられる私たち人類ですが、その発展の過程で、強い意識を持って集団が分かれていったと考えられています。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』 監修:亀田達也