相続した土地を売却する予定ですが、不動産会社から「隣地との境界確認が必要」と言われました。測量費がかかっても、売る前に済ませるべきなのでしょうか?

写真拡大 (全2枚)

相続した土地を売却しようとしたとき、不動産会社から「隣地との境界確認が必要です」と言われ、測量費の負担に悩む人は少なくありません。   土地の測量は、必ずすべての売却で義務になるわけではありません。しかし、境界があいまいなまま売ると、買主との交渉が進みにくくなったり、売却後に隣地所有者とトラブルになったりする可能性があります。   本記事では、土地売却前に境界確認をするべき理由と、測量費をかけるか判断するポイントを解説します。

土地を売る前に境界確認が必要といわれる理由

土地の境界とは、自分の土地と隣の土地の境目のことです。古くから所有している土地では、境界標がなくなっていたり、昔の図面と現地の状況が合っていなかったりすることがあります。
相続した土地の場合、所有者本人も詳しい経緯を知らないことが多いでしょう。「昔からこの塀までがうちの土地」と思っていても、正式な境界と違う可能性があります。
買主にとって、境界が分からない土地は不安が大きいものです。購入後に隣地との境界を巡るトラブルが起きると、建築計画や土地の利用に影響が生じる可能性があります。そのため、不動産会社は売却前の境界確認を勧めるのです。

測量費がかかっても済ませたほうがよいケース

測量費がかかっても、売却前に境界確認をしたほうがよいケースは多くあります。
たとえば、境界標が見当たらない土地、隣地との間に古い塀やブロックがある土地、面積が登記簿と現地で違いそうな土地です。このような土地は、買主から「境界をはっきりさせてから買いたい」と言われやすくなります。
また、住宅用地として売る場合も境界確認は重要です。買主は建物を建てる前提で購入するため、正確な面積や境界が分からないと、建築計画に影響します。
測量には費用がかかりますが、境界が明確な土地は買主が安心して購入を検討しやすく、売却交渉が円滑に進むことがあります。また、境界に関する不安材料が少ないことで、価格交渉の要因を減らせる可能性もあります。

境界確認をしないまま売ると起こりやすいトラブル

境界確認をしないまま売ると、売却後にトラブルになることがあります。
たとえば、買主が家を建てようとしたときに、隣地所有者から「その塀は越境している」と言われるケースです。越境とは、建物や塀、樹木などが隣の土地にはみ出している状態をいいます。
また、売買契約後に測量した結果、土地の面積が思っていたより小さいと分かった場合は、契約内容によっては、買主から代金の精算や契約内容の見直しを求められる可能性があります。
隣地所有者の立ち会いが必要になる場合は、時間もかかります。相手と連絡が取れなかったり、境界に納得してもらえなかったりすると、売却スケジュールが遅れることもあります。
境界を巡る問題が複雑な場合は、法務局の「筆界特定制度」を利用して、登記上の境界(筆界)について判断を求める方法もあります。ただし、手続きには一定の期間を要するため、早めに動くことが大切です。

早めに境界を確認すれば安心して売却しやすくなる

土地売却時の測量は、必ず義務というわけではありません。しかし、境界があいまいな土地をそのまま売ると、買主が不安を感じ、売却価格や契約条件に影響することがあります。
特に、相続した土地は、所有者自身が境界を正確に把握していないことも多いため、早めに確認しておくと安心です。
まずは不動産会社に、境界確認が必要な理由を具体的に聞いてみましょう。そのうえで、土地家屋調査士などの専門家に相談し、測量費と売却への影響を比べることが大切です。売る前に境界を整理しておけば、買主にも説明しやすく、納得できる売却につながりやすくなります。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー