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 ◇W杯北中米大会決勝トーナメント1回戦 日本 1―2 ブラジル(2026年6月29日 ヒューストン)

 1次リーグF組を2位通過した日本代表は29日(日本時間30日)、決勝トーナメント1回戦でブラジルに1―2で逆転負けした。前半29分にMF佐野海舟(マインツ)の右足弾で先制したが、後半11分にMFカゼミロ(マンチェスターU)のヘディングで被弾。後半アディショナルタイムに決勝弾を許してベスト32で敗退した。02、10、18、22年大会に続き、5度目の挑戦でも決勝トーナメント1回戦の壁を破れなかった。

 激闘を終えたピッチ。選手、スタッフが集まった円陣で、森保監督は最高の景色へ導けなかったことを謝罪し、感謝の言葉を口にした。

 「この悔しさを胸に刻んで、また成長につなげていってほしい。成功体験もいいが、うまくいかなかったことを生かして日本の成長につなげてほしい。優勝という夢や目標、最高の景色を見せられなかった。監督として皆を導けなくて申し訳ない。でも違う意味での最高の景色は選手、コーチ、スタッフに見せてもらった。ありがとう」

 円陣は約3分40秒。指揮官にとって、毎試合、毎試合、最高の準備をしてくれた選手、コーチ陣、スタッフの姿は紛れもない最高の景色だった。

 また、終了間際にやられた。94年W杯米国大会のアジア最終予選。選手だった森保監督は最終戦のイラク戦で後半アディショナルタイムに失点して本大会出場を逃した。“ドーハの悲劇”から32年。監督としてアジア最終予選を圧倒的な強さで勝ち上がり、米国開催のW杯で指揮を執った。王国を相手に先制するなど好勝負を演じたが、後半アディショナルタイムの失点で逆転負け。「自分の現役時代の事が頭の中に出てくることは全くなかった。勝利を目指して戦うことだけを考えていた」と振り返ったが、因縁めいた敗戦となった。

 駒不足は否めなかった。三笘、南野、久保をケガで欠き、2列目&ウイングバックは厳しい台所事情。1次リーグ最終戦から中3日の強行日程の影響もあり、疲弊したMF伊東、堂安の両翼を後半途中にベンチに下げると、前への推進力を失い、防戦一方の展開となった。指揮官は「選手がいなくなったことはチームの戦いとして影響した部分はある」と認めた上で「アクシデントがある中でチームコンセプトをより多くの選手がプレーで示してくれた」と評価した。

 目標に掲げた優勝には届かなかったが、歩んできた道は間違いではない。準備段階の親善試合ではブラジル、イングランドから歴史的白星を奪い、今大会も1次リーグ初戦でオランダと好勝負を演じて引き分けた。決勝トーナメントでW杯優勝経験国と対戦するのは初で“新しい景色”は見えた。

 森保監督は自身の去就について「まだ何も決まっていません」と説明。日本協会は手腕を高く評価しており、3期目となる続投オファーを出す可能性もある。一方で将来の会長候補としてフロント入りを押す声も強く、今後は流動的。勇退の場合の後任はU―21日本代表で監督を務める大岩氏の兼任が有力となる。日本代表の次の目標は来年1月のアジア杯サウジアラビア大会。王国に屈したヒューストンの苦い経験は日本サッカー界の財産になる。