伊佐衆院議員

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伊佐衆院議員の質問

 国会で展開されてきた「高市陣営による中傷動画問題」への追及が思わぬところへ飛び火しているという。きっかけは6月4日の衆院予算委員会で中道改革連合の伊佐進一衆院議員が質問に立ったことだった。

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 伊佐氏は「高市氏の秘書と動画作成者のオンライン会議の音声(週刊文春の電子版で有料会員向けに公開)」について、「本人かどうか確認したか」と高市早苗首相に迫ったが、高市氏は「(文春の)有料オンライン会員になろうとは思わなかったので(音声を)確認できなかった」「有料会員になること自体を拒否します」などと答弁した。

 さらに伊佐氏の質問通告時間の遅さを指摘して「多数の答弁準備に追われて音声データを確認する余裕もなかった」「(有料会員への)登録方法もわからなかった」と述べた。

伊佐衆院議員

公明党公認で当選5回

「まるで駄々っ子のような物言いで一国の宰相の国会での発言とはおよそ思われませんでした。実際にそう感じていても口に出してしまうと混乱を生みかねない文言は自制するのが普通ですが、高市氏はイライラもあってか突っ走ってしまったようです。“時間の余裕がない、有料会員になりたくない、その方法もわからない”発言は結構なインパクトがあり、大きな批判を浴びることになりました」

 と、政治部デスク。翌5日の参院予算委で高市氏は一転して「音声を聞いた」とスタンスの修正を迫られることになった。

 野党としては立派な質疑だったといえるだろう。

 首相の失言に近い発言を引き出した伊佐氏は東大工学部航空宇宙工学科を卒業して1997年に科学技術庁に入庁。2012年12月の衆院選に大阪6区から公明党公認で出馬して初当選を果たし、当選5回。この間、財務大臣政務官、厚労副大臣兼内閣府副大臣などを歴任した。公明や支持母体である創価学会内で伊佐氏の評価は高まるばかりかと思われたが、実際はそうでもなく、どちらかと言うとその逆のようなのだ。

“やり過ぎだ”

「学会内での評価が芳しくないようです。野党議員として職責を果たした伊佐氏を表立ってとがめる発言などはありませんが、“やり過ぎだよ”といった声があがっているようなんです」(同)

 どういうことなのか。

「高市氏が去年の自民党総裁選で当選した直後に公明は連立を離脱したわけですが、地方では自公でつかず離れずどころかそれなりに手を携えて活動するところもあり、そういったエリアでは中央で自公がバチバチやり合っているような見え方は“あまりよくないんだよねぇ”ということでした。顕著なのは沖縄ですね」(同)

 沖縄は県知事選(8月27日告示、9月13日投開票)に向けて、対立構図が固まりつつある。自民が全面支援する方針の古謝玄太・前那覇市副市長に公明党沖縄県本部も推薦を出す方針。一方、立憲民主、共産の両党は現職の玉城デニー知事を支援する方向だ。

与党への復帰願望

「公明は直近2回の知事選で玉城氏を相手に戦っていますから今回も敵対候補を立てて自民党と共闘することは不思議ではありません。が、中央では連立離脱からまだ日も浅いためなかなかややこしい。余計な摩擦を起こさないようにとの配慮の気持ちが学会内にはあるようです」(同)

 今回の県知事選でも、米軍普天間飛行場の名護・辺野古移設を容認するか否かが争点になるわけだが……。

「公明としては移設容認派の古謝氏を推薦する以上、少なくとも選挙期間中、高市政権批判は封印せざるを得ないかもしれませんね。移設反対派の現職・玉城氏を支援する勢力は“連立を離脱して国会では舌鋒鋭く高市氏を批判していたのに沖縄で公明は自民と手を組んでいる”などといった点を古謝氏の批判材料に使う可能性もあり、その場合。伊佐氏の追及は具合が悪いのかもしれません」(同)

 現在、公明は野党に甘んじているが、どこかのタイミングで与党に復帰したいとの思いは消えていないという。野党議員として立派に働いたのに、首相の応援団から総攻撃を浴びるだけでなく、身内からも評価されないのでは、伊佐議員も浮かばれない。これも揉め事を嫌う「平和の党」だからなのか。

デイリー新潮編集部