【W杯】森保監督「監督の力が足りなかった」 痛恨の逆転負けで敗退「去就はまだ何も決まっていません」
◇W杯北中米大会決勝トーナメント1回戦 日本 1―2 ブラジル(2026年6月29日 ヒューストン)
FIFAワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦で日本(FIFAランキング17位)はブラジル(同5位)に1―2で逆転負けし、ベスト32で敗退した。日本は02、10、18、22年大会に続き、5度目の挑戦でも決勝トーナメント1回戦の“壁”を破れなかった。
森保一監督は「ここで大会を去らないといけないのは本当に残念です。選手たちは今日の試合も全力を尽くしてくれたし、ここに至るまでも日々プロセスを大事にして頑張ってくれた。スタッフも献身的に頑張ってくれた。今は悔しいが、結果を受け入れたい。」と大会を総括。試合後は涙に暮れる選手一人一人と抱き合い、声をかけ続ける姿があった。
日本は前半29分、ハーフウエーラインでパスカットしたMF佐野海舟(マインツ)がドリブル突破し、ペナルティーアーク手前からミドルシュート。ゴール左のサイドネットに決める代表初ゴールで先制点を奪った。
しかし、ブラジルがFWエンドリッキ(リヨン)を投入してきた後半は劣勢。7分にGK鈴木彩艶(パルマ)がスーパーセーブ、9分には冨安が顔面ブロックで失点を防いだものの、11分に左クロスをMFカゼミロ(マンチェスターU)にヘディングで叩き込まれて1―1と追いつかれた。直後の13分には左45度からのビニシウスのシュートに鈴木彩が左手で触れ、ポストに当たってピンチを免れた。
しかし、その後も耐える展開が続き、後半アディショナルタイムの50分にFWマルチネリ(アーセナル)に勝ち越しゴールを決められた。
試合後の会見では「カタールW杯から北中米W杯でグループステージ戦って決勝トーナメント1発目。今回も同じ敗戦になった」とひと言。
「試合を終えてブラジルとの力関係ですけど、間違いなく縮めてこられている。世界のトップ基準に日本も間違いなく近づいている感覚ではあります。結果として押し切られるのは差があることも事実」と“王国”との差を口にした。
「日本がコントロールできる時間も長くなり、いっぱいいっぱいの守備がしっかりと受けられるようになった。勝っていくためには攻撃も守備も力を付けないと行けない。ブラジルはシンプルにサイドからクロスというより明確なことをしてきた。そういう部分も含めてブラジルがやろうとする意図を止めて自分たちの流れにもっていくというところで交代のカードを切りました」と振り返った。
そして「守備から攻撃に移る最初の相手のプレスを回避する、そこのパスのクオリティーだったり、トランジションをもっと早くしてプレスを回避しないといけない。いったん回避できれば組織的に崩したり、選手のアイデアで崩せる。ボールを保持した時に相手がなかなかとりにこれない時間帯もあった。世界の強豪と戦う時にこれまでも課題でしたし、世界トップと対等と戦う時にはあげないといけないところ。カタールから取り組んで間違いなくレベルは上がっていると思う」とこの4年間での成長を感じていた。
そして大会前から三笘薫、南野拓実がケガの影響でメンバー外に。さらには大会中に久保建英が初戦のオランダ戦で左膝負傷。初戦以降はプレーすることはできなかった。主力の不在については「そこに関して言えば、選手達が想定外のことやアクシデントが起きた時に冷静に対処して乗り越えてよく頑張ってきてくれた」と選手たちに感謝した。
「これまでのチーム作りの中で選手がいなくなったのはチームの戦い方として影響があったのは事実。ネガティブにとらえることなくケガやアクシデントは起こりえること。選ばれた選手がしっかりと機能するところ、新たに入った選手がその選手のよさを生かしてチーム力を維持してくれるのが日本の良さだと思います。チームコンセプトをより多くの選手達がプレーで示してくれた。組織で戦う日本の良さが出せたと思う。個性を発揮しながらチームの戦い方を表現しようとしてくれて日本の良さを出してくれた。ケガ人が出るのはいいことではないが、多くの選手が幅広く経験することによって日本のレベルが上がると思う」と胸を張った。
試合後の円陣で森保監督は涙を流しながら選手に言葉を伝える場面があった。「優勝するという夢や目標の最高の景色は見ることはできなかったけど、監督として皆のことを導いてあげられず申し訳ないと伝えた。違う意味での最高の景色は選手、監督、スタッフに見させてもらっているので、感謝していると伝えました。監督として最高の景色は皆にみさせてもらったので、ありがとうと伝えました」と明かした。
今後の去就については「個人的には何も決まっていない。誰が監督になるかは分からないが、大きな大会はアジア杯ということで。私の去就はまだ何も決まっていません」と言及しながらも次の目標としてアジア杯優勝を掲げた。
「日本代表として次の大きな大会はアジア杯。そこに優勝できるようにフォーカスしていくかなと思っています。W杯の敗戦の痛みがアジア杯でたとえ優勝したとしても癒えることはない。アジアで頂点に立つことは大切だが、アジアが苦しい戦い方を強いられる中、常に高い目標を持ってアジア杯に挑まないといけない」と説明した。
そして目標として掲げていた優勝はかなわなかった。「監督して申し訳ない気持ちでいます。最後まで粘り強くタフに戦う中、今日の試合もチャンスがあると思って戦って、じっさいチャンスがあったのにつかみ取れなかった。監督の力が足りなかった」と謝罪した。

