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「news every.」では、「イチから確認 高市政策」という形でいま、何が議論され、日本がどう変わる可能性があるのか、継続的にお伝えしています。29日は、改正案が閣議決定される見通しの「皇室典範の改正」の内容について、日本テレビの井上幸昌政治部長が解説します。

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いま、議論されている改正案は、皇室の在り方を大きく変えることにつながります。ただ、最終段階になってもなお、問題点が次々と指摘される事態となっています。まず、重要なポイントとして、今回の改正議論の出発点を押さえ直しておきたいと思います。

そもそも与野党の代表者らは、賛否が分かれる皇位継承の問題を議題とせず、喫緊の課題である皇族数の減少を、いかにして歯止めをかけるか。これについて議論して「立法府の総意」をとりまとめました。

■「皇族数の確保」2つの方策盛り込む

――今回の議論は、あくまで皇族数の確保について行われて、その総意というわけですね。

そうですね。その「立法府の総意」に基づいて政府は、2つの方策を盛り込んだ改正案をまとめました。

1つ目は、女性皇族が結婚後も皇室を離れず、残ること。

もう1つは、79年前に皇室を離れ一般国民となりました11の旧宮家。その子孫である男系男子を養子として皇族に迎えることです。条件は15歳以上で、配偶者や子どもがいない方が対象となります。

これらは皇族数を確保するという「立法府の総意」にのっとったものといえるんですが、蓋を開けてみると議題にしていなかった皇位継承に絡む条文が盛り込まれていたんです。

■旧宮家から「男系男子を養子」課題は

――議論の前提が変わった可能性があるとなると大きな問題ですので、1つ1つ確認していきましょう。

まずは、養子案です。皇位継承について、養子の方は皇位継承の資格をもたないと明記されています。これは「立法府の総意」通りなんですが、実はその子や子孫について、男子なら皇位継承の資格をもつとの内容が盛り込まれているんです。

条文をみますと、「2条の規定の適用については、実方の系統によるものとする」と記されているんです。

――具体的にどういう意味なんですか。

皇室典範の2条は、皇位継承の順位を定めたものなんです。そして、実方の系統による、というのは養子の家族、出身の家によって、皇位継承の順位が決まるという意味なんです。

つまり、皇位継承の資格があることが前提となっている条文が入っていることになります。

■“政府・与党がだまし討ちのように提示”

――確認ですが、こうした内容は「立法府の総意」には、もともとは入っていなかったということですね。

「立法府の総意」にも入っていませんでしたし、その後、政府から出された改正案の「骨子」や「要綱」にも入っていませんでした。

ですので、野党側は強く反発している状況です。

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立憲民主党・水岡代表
「これまで何ら議論していないことを、だまし討ちのように提示をする政府・与党に怒りを禁じえない。こうした政府の不誠実な対応によって、立法府と政府の信頼は大きく損なわれたと言わざるを得ない」

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法案に関わるある関係者は、この制度はあくまで「暫定的」だと。「そのために改正案に30年ごとの見直し規定を入れている」と説明しています。

■天皇陛下まで126代すべて男系

――養子の子孫が皇位継承の資格をもつということは、どのようにとらえたらよいのでしょうか。

皇位継承は、いまの天皇陛下まで126代、すべて男系でした。

今回の養子の対象となる旧宮家の男系男子と、いまの天皇家の共通の祖先は、600年前、室町時代の貞成親王という方です。今回の養子案は、かなりの遠縁にはなりますが、男系男子による継承という伝統を維持することにはつながるといえます。

■“女性皇族が結婚後も残る”案の課題

――では、もう一方の女性皇族が結婚後も皇室に残る案ですが、こちらにも課題が残されているんでしょうか。

改正案には、女性皇族と結婚した配偶者とその子どもの身分については明記されていないんですよね。一方で、こんな内容が盛り込まれています。

結婚した女性皇族は「住民基本台帳法を適用する」と。皇族は、住民基本台帳に記載されない身分なのですが、これを改めて記載するようにしようということなんですよね。

――住民基本台帳に記載するというのは、どういうことを意味するんでしょうか。

1つの見方なんですけれども、女性皇族と結婚した配偶者を皇族にはせず、一般国民のままにしたいので、女性皇族の方を配偶者の方に合わせる必要に迫られたという見方があります。

一方で、法案に関わる関係者は「家族の一体性を鑑みた配慮の規定だ」と説明しています。

■「女系天皇」への警戒感

――女性皇族の配偶者の身分が、これだけ取り上げられる、注目されるというのはどうしてなんでしょうか。

先ほどは、男系の話をしましたが、今度は女系の話が絡んできます。

与党などには、配偶者を皇族にすると、子どもが男の子だった場合、天皇にしてはどうかという議論が生まれかねない、という警戒感があるんです。

この子どもが天皇となった場合は、母方のみが天皇につながる「女系天皇」となります。男子ですけれども、「女系天皇」ということですね。

皇位の継承を安定させるためにも、女系天皇を認めてはとの意見もあるんですけれども、与党などはこれを絶対に認めないと。男系男子による継承こそ、重要だという立場なんですね。

――改正案はこの後、どうなっていくんでしょうか。

閣議決定された後、速やかに国会に提出するということになっています。

与党は改正案を、いまの国会で成立させることを目指していますが、野党の反発が結構強いですよね。審議が、予想はしていなかったんですけども、難航する可能性がでてきています。

■政府、国会に重い責任

――NNNと読売新聞が行った今月の世論調査では、皇族の数を確保するため、女性皇族が結婚後も皇室に残ることについては、「賛成」が75%、「反対」が13%でした。また、旧宮家の男系男子を養子として迎えることについては「賛成」が46%、「反対」が36%でした。いずれも賛成の方が多いとはいえ、旧宮家の男系男子を養子に迎えるということについては、賛成が反対ときっ抗しているようにもみえますよね。

世論をみますと、ちょっと温度差があるなということはいえると思いますし、国民の総意というものがどういうものなのかという議論があるのかなというふうに思います。

先日、天皇陛下も記者会見で「国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」と話されています。

多くの国民に親しまれ、愛されてきた皇室に、決して不安定な状況が起きないよう、政府、国会はその重い責任をしっかりと果たしてほしいところです。