「ビールの美味しい季節が到来!」だからこそ…飲めない人が“割り勘負け”しない会計システムを真剣に考えてみる
酒を飲まない人と飲む人が一緒に時間を過ごす場合、様々なジレンマが発生しがちである。これは、人間関係における非常に重要イシューなので、2026年初夏、一旦結論をつけねばなるまいと思い至った次第である。【中川淳一郎・ネットニュース編集者】
飲兵衛天国
世の中には体質的に酒を飲める人と飲めない人が存在する。飲兵衛と下戸が飲食を伴う会合をする場合、問題が発生する。それは、「酒の方がソフトドリンクより高い」ということである。2026年6月現在、多くの居酒屋では「ソフトドリンク=300〜500円」「酒類=500円〜800円」といった価格差が存在する。

筆者はビール党の飲兵衛だが、正直、下戸の人からすれば、400円のウーロン茶を頼むことすら抵抗感はあるだろう。宴会ではなく、自分一人であれば、無料のお冷やで十分だと考える。あくまでも食事のために店に来た場合は、敢えてウーロン茶やらジンジャエールは頼まない。酒を飲む人がいるから、わざわざ400円のウーロン茶を頼むのだ。そして、そのウーロン茶をチビチビと飲む脇で飲兵衛は豪快に「生、おかわり!」なんて言い、これで680円ナリが飛んでいく。
この下戸の人は「あなたのその生ビールも私が負担することになるのね……」と複雑な気持ちになる。だが、ソフトドリンク派は宴会の場ではせいぜい20〜30%ほどの少数派。いかんせん声が弱い。幹事が気の利く人であれば「酒飲む人は6000円、飲まない人は4500円」などとやってくれるが、多くの場合「一律」となりがちだ。その場合、酒を飲む人も飲まない人も5500円を支払うこととなる。つまり「割り勘負け」である。
そりゃあ、酒を飲まない人からすれば納得できないだろう。そうした「飲兵衛天国」な文化が色濃い日本だが、先日、下戸の方々が主催する一泊二日の会に参加した。私を含む佐賀県唐津市の3人が、京都在住者にもてなしてもらったのだ。唐津勢は飲兵衛だらけなのだが、京都の方々は主力の3人が下戸である。
その際、迎え入れてくれた彼らの対応が理に適ったものだったのだ。この度の宴は焼肉屋にて20人で行ったのだが、会計システムが明朗だった。
「会費6000円で、事前徴収。飲んだ分は自己申告で最後に支払い」
飲み物だけは各自別会計のメリット
食事代は均一で取った上で、飲兵衛は自分が頼んだビールやらハイボールを各自メモし、その金額を支払う。これが思いの他良かったのである。というのも、我々飲兵衛としても、最終的な金額で下戸の皆さまが「割り勘負け」をする姿を見るのが常々心苦しかったからだ。
ところで今回の会は、京都の方だけでなく、中部地方や東京からも人が訪れる、とてもナイスな会だったのが、2日目のランチは、前日の宴の会場である焼肉屋の店主(下戸)が主催し、京都駅ビルの串焼き屋で行われた。
この時も、3700円のコース代を全員が均一で支払い、各自が頼んだドリンクを会計時に支払う方式にした。いや、このシステム、すべての会合で導入した方がいいじゃないですか!
その後、京都観光を下戸の皆さまの案内のもと9人で楽しみ、途中の休憩時の店の選択をしてもらった。一切酒類のないカフェだった。選んでくれた下戸の方は「酒はないんですけどね」と言ってくれたが、こうして案内してくれるだけでありがたい。
実際、この中の5人は明らかに酒を飲みたがっていた。だが、「ここは繋ぎ」と割り切って、このカフェで1時間ほどノンアルタイムを楽しんだ。その後、案内人としての役目を終えた京都の下戸の皆さんと別れた後は、飲兵衛軍団は飲み屋に行ったが、ビールのうまいことうまいこと。
その一方で、酒を飲まない方々が「酒偏重」である日本社会で案外苦しい思いをしていたんだな、ということを今回は感じた。とにかく、酒が体質的に飲めない方々は命の危険もあるのだ。それなのに昭和の時代は「オレの酒が飲めないのか!」などと「アルハラ」をしていた。
今回、「飲み物だけは各自別会計」というシステムはいいと思った。また、下戸の方が選ぶ店で飲兵衛は若干不満を抱くものの、下戸の方々も飲兵衛が選ぶ店には不満を持っているであろう、ということはよーく理解できた。下戸と飲兵衛が旅行等長時間共にする場合、互いにこうした配慮は必要であろう。
よって、結論としては「飲み物代は別会計にしろ!」ということになる。こうすれば、互いの納得感が生まれるのである。また、飲兵衛は、下戸が主導する会合の場合は「その後好きに飲め」ということになる。
ネットニュース編集者・中川淳一郎
デイリー新潮編集部
