【単独インタ】ハリルホジッチ氏 W杯日本代表は、ブラジルに「勝てる可能性はかなりある」 指摘した王国の“穴”とは「ガンバレ、ニッポン」…後編
サッカー元日本代表監督のバヒド・ハリルホジッチ氏(74)がこのほど、自宅のあるフランスからオンラインでスポーツ報知の単独インタビューに応じた。かつて指揮を執った日本代表(FIFAランク18位)は、現在開催中の北中米W杯で3大会連続5度目の決勝トーナメント(T)進出を決め、29日(日本時間30日)に決勝T1回戦でブラジル代表(同6位)と激突する。前後編で配信のインタビュー「後編」は運命のブラジル戦について。ブラジルの中盤、センターバック(CB)の動きの鈍さを指摘。日本選手の俊敏性を生かした戦いで挑めば、勝機は十分あると語り、エールを送った。(取材・構成=斎藤成俊、協力=樋渡群氏)
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日本代表とブラジル代表の対戦は、非常に面白い試合になると考えている。ヨーロッパでプレーする選手も多く、個人として、組織的な戦術としても高いレベルにある今の日本であれば、勝てる可能性がかなりあるからだ。
ポイントは、ブラジルが嫌がるリズムに持ち込むこと。突くべきは、ブラジルの選手たちの動きの鈍さだ。中盤のカゼミロ、パケタ、ギマランイスの動きは、日本の選手からすると遅く感じるだろう。俊敏性で彼らを混乱させることがカギで、ワンタッチ、ツータッチを使いながら相手の背後を突くことができれば、チャンスは大きく広がる。
また2センターバックも、俊敏性では日本の選手に劣る。日本は素早いタッチ、反応、スプリントでプレッシャーをかけていけば、ミスを誘うことができる。空中戦ではブラジルに分があるので、日本の攻撃陣は地上戦で勝負。グラウンダーのボールを使って、機敏さを生かして戦うべきだ。
ひと昔前のブラジルはパスをつなぎながらリズム、テンポの良いサッカーをしていた。しかし、今は組織ではなく、個人のプレーに比重を置くようになった。以前なら攻守の切り替えも速さがあったが、今は中盤のプレーが遅く、ボールを持ちすぎる場面が目立つ。個の能力が高いビニシウス、クニャを自由にさせると厳しい展開になるが、中盤の動きが鈍いため、カウンターもスピード感に欠ける。日本としては中盤での争いで優位に立つ展開が望ましい。
ブラジルの攻撃に目を向ければ、ビニシウスは本当に世界トップレベルだ。それから34歳になったネイマールは以前ほどの輝きはないが、何かをやってくる選手なので要注意。試合展開では、彼らと一対一になる場面があると思う。その時には、味方が必ずカバーリングを怠ってはいけない。仲間を孤立させてはダメだ。
日本は優勝を目標に掲げていると聞く。それならば、ブラジルなど強豪チームに対してコンプレックスを持たないことだ。自分たちが劣っている、相手は強い、という感情は捨てた方がいい。個人の能力はブラジルが上だとの見方もあるが、日本は決まり事を徹底して実行できるチーム。集団、組織のプレーで上回る展開に持ち込めば、ブラジルを混乱させ、倒すこともできるのではないだろうか。
やはりスポーツでは勝利が大事。常に勝つ、勝つ。「ガニエ」(フランス語で勝つ)ですよ。ブラジル戦は、日本サッカーがさらに飛躍するため、これまでで最も大事なゲームと言っていい。本当にFIFAランクのトップに入るきっかけになる。だから、日本に勝って欲しい。ガンバレ、ガンバレ、ニッポン!(元日本代表監督)
◆指導者生活に幕「フットボールにおける仕事はストップ」
〇…ハリル氏は「もうフットボールにおける仕事はストップしたいなと思っています」と、指導者としてのキャリアに幕を下ろす意向を明かした。今年3月、当時17位と降格圏にいたフランス1部ナントの監督に就任。「予定になかったが何とか助けようと思った」と古巣のため、ひと肌脱いだが、残留はかなわなかった。「情熱は引き続き持っているので、グラウンド外でサッカーを楽しみたい」。監督時代の厳しい顔つきではなく、柔和な表情が印象的だった。

