自身が営むバーの元従業員の女性に対し、管理売春をした罪などに問われている鈴木麻央耶被告(39)

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 5月25日、東京・池袋ガールズバーで、従業員だった女性のXさん(当時27)に売春をさせたとして、売春防止法違反の罪に問われた店の元マネージャー・田野和彩被告(21)の判決公判が東京地裁で開かれた。

【写真】「茶色のファーコートにおかっぱ姿」"美人ガルバ店員”と話題になった鈴木麻央耶被告の元恋人の女、Xさんが勤務していたガールズバーほか

「利欲的で、逆らうことのできない状況に追い込まれていた被害者女性に売春の指示をした、人格を顧みない犯行。刑事責任を軽く見ることはできない」(福島直之裁判官)

 田野被告は2025年5月から7月にかけ、Xさんをガールズバーの店内で寝泊まりさせ、売春をさせた罪が認められ、有罪判決を受けた。社会部記者が解説する。

「裁判では田野被告が当時、共犯でバーの元店長の鈴木麻央耶被告(39)=同罪などで起訴=と交際しており、管理売春を認識した上で犯行を咎めなかったことや、自身も暴力や叱責を受け、恐怖を感じていたことなどが明かされた。これらの事実を認めた上で、検察側は『暴力や脅迫によって(被害者が)管理されていたことを認識しており、犯情は悪質』と断じ、1年6か月の拘禁刑と罰金30万円などを求刑。

 一方、判決公判で裁判官は、『鈴木麻央耶被告が犯行の主体を担っており、田野被告は従属的な立場にあった』と判断し、執行猶予つきの拘禁刑などを言い渡しました」

 判決から10日後の6月4日、事件の"主犯"として注目が集まっていた鈴木被告の初公判が行われた。被告は法廷に黒とグレーのスウェットで現れ、初逮捕時より伸びた長い髪は後ろで結われていた。

 公判で明かされたのは暴力性で女性を支配する、鬼畜の所業の数々だった──。【前後編の前編】

暴力による支配

 鈴木被告は現在、売春防止法(管理売春)と2件の不同意性交の罪に問われている。初公判で男は前者の罪については認め、後者については一部否認する意向を示した。起訴状によれば被告は元マネージャーの女と共謀して2025年、新宿区内のホテルで元従業員の女性に売春させたほか、ホテルやガールズバーの店舗内で女性に暴行を加え、わいせつ行為をするなどしたとされる。

「被告は川崎市で生まれ、高等学校を卒業後、職を転々としていました。『〇〇(ガールズバー)』では2020年から勤務していた。婚歴はあるがすでに離婚が成立している。

 2024年9月ごろから店で勤務していたXさんに対し、『売り上げが少ない』として同年10月ごろから別のセクシーキャバクラで働かせ、接客数や報酬などを報告させて給料を回収していた。女性が給料の額を過少報告した際や、接客態度の注意をする際に殴る蹴る、またシャンパンの空き瓶で殴るなど暴力を振るっていた。

 また2025年1月ころからは共犯の女に指示をし、Xさんのスマホで客とのやりとりなどに関する内容を確認していた。その後Xさんは『稼げるのは大久保公園しかない』と言われたことをきっかけに、同年3月ごろから日中はガールズバーで働き、仮眠をとって夜間に売春をするようになった」(検察官の冒頭陳述より)

 事件が明るみになった発端は、昨年7月11日にXさんが売春の「客待ち」をしていたところを現行犯逮捕されたことだった。Xさんの体からは当時、20か所以上の打撲痕が認められ、さらに心身耗弱状態で「被告から人間として扱われなかった。(管理売春から)逃げようとも考えつかなかった」などと涙ながらに警察に明かしたという。

 証拠として検察官が読み上げた供述調書の内容の一部からも、"支配"の壮絶さが窺えた。

「シャンパンの瓶でも殴られた」

「入店した初期から被告らから勝手にシフトを入れられ、朝から晩まで働き、休みの日もどこにいるかを報告しないといけなかった。セクシーキャバクラの日払いの給料や勤務終了の時間を報告するよう指示された。ガールズバーにも並行して出勤したが、月末になっても給料が支払われなかった。ネットカフェ代や食費をもらえることもあったが、もらえない時もあった。

『給料を自分で使いたい』と思ってセクキャバのギャラを過少報告したところ被告にばれ、殴られたり蹴られたりした。それ以降、毎日被告から暴力を受けるようになった。入店した年の12月にはシャンパンの瓶でも殴られた。壁に押し付けられ、頭から出血したり、カウンターに手をぶつけて出血することもあった。11月ごろからは金の使い先についても全て報告させられていた。さらには体重増減の報告もしていた」(Xさんの供述調書)

 男によるXさんへの暴力行為や"管理"については、共犯の元店員も「目の前で目撃することもあったが止めなかった」と語っている。取材班はこうした証言を得ていた。

「バックヤードで寝泊まりしているのを何度も目にしました。広さは1畳程度で椅子を並べて、ぎりぎり大人が寝られるか寝られないかくらいの狭さの場所です。服も同じものばかり着ていて、相当お金がなかったんだと思う。一度、『辞めたら?』と勧めたこともありますが、『店長は身寄りのない私を拾ってくれた』『厳しくするのは、私のことを思ってくれているから』と話していた」(バーの元従業員)

 当時の店の関係者も、Xさんの異変を目撃していた。

「被害者の子がちょうど売春をさせられていた時期にその子が眼帯をしていたのを目撃したんです。いま思うと、鈴木に殴られていたんでしょうね。傷を隠すためか、昼間はサングラスをかけていたこともあった」

 男の"支配"はさらにエスカレートする。鈴木被告は昨年2〜3月ごろ、Xさんに対してこう言い放ったという。

「店やセクキャバとかで稼げないなら、大久保公園で立ちんぼするしかない」

 鈴木被告の仕打ちは、生活の"管理"だけに留まらなかった。日常的な暴力や"管理"で判断能力が鈍ったXさんはさらに追い込まれていく。新たに明らかになった、Xさんの主張する男の「性暴力」とは──。

(後編につづく)