[6.6 J1百年構想リーグPO(1-2位決定戦)第2戦 鹿島2-0神戸 メルカリ]

 待望のプロ初ゴールが生まれた。前半から猛攻を仕掛けながらもなかなかゴールを奪えなかった鹿島アントラーズだが、後半23分、エリア内のこぼれ球に反応したFWレオ・セアラがゴール前にクロスを入れると、詰めたMF林晴己が飛び込んだ。

 ただ嬉しいはずのプロ初ゴールだが、この日ばかりは「決めた時もめっちゃ嬉しかったわけじゃなかった」という。第1戦を0-5で落としていた鹿島は、残り20分超で少なくとも4点を返す必要があった。「もう1点、もう1点と思っていた」。しかし1点を返して迎えた後半37分にはDF植田直通の浮き球を林がヘッドで合わせる場面があったが、GK権田修一のビッグセーブに阻まれた。

「シーズン中に取れたことは嬉しく思いますけど、本当に優勝したかったので、嬉しいは嬉しいけど、喜びきれないのはあるかなと思います」

 高川学園高、明治大とアマチュアサッカーの強豪で下級生のころから主力を務めてきた林は、ルーキーイヤーを過ごす鹿島でも、J1百年構想リーグで18試合に出場。すべての試合でベンチ入りを果たした。しかし先発は連戦を戦っていた5月6日の水戸戦のみで、そのほか17試合はすべて途中からの出場になっていた。「途中出場はサッカー人生でほぼなかった」。そこには当然、葛藤があったようだ。

「サッカーをやっていれば途中出場が難しいという人が多いと思う。実際に流れに入って盛り上げるということでは難しい。だけど日ごろの練習だったり、準備がすべてだと思っていた。結果を取ればスタメンで使われる回数も増えてくる。練習でのアピールだったり、もっと自分を出して信頼される選手になっていきたい」

 “初タイトル”こそ逃したが、優勝決定戦を戦った経験は、必ず新シーズンに活かしていく。クラブOBの本山雅志氏を意識した背番号24を引き継ぐ林は、「(この日のスタジアムの雰囲気は)普通にサッカーをやっていれば感じられないというか、本当に鹿島でよかったなと改めて思った。声援に応えたいという気持ちになった。選手だけじゃなく、サポーターとも力を合わせてタイトルを一つひとつ取っていきたい」と決意を新たにした。

(取材・文 児玉幸洋)