新学期、新しい環境の中で「わが子に友だちができない」と心配する人もいるかもしれません。教育機関と連携しながら研究を行う「いこーよ 子どもの未来と生きる力研究所」によると、「友だちづくりにこだわるより、本人が遊びたいことをしていることがなにより重要」と語ります。詳しく話を聞きました。

※ この記事は『自立した子どもになるための やらない子育て』(扶桑社刊)より一部を抜粋し、再編集しています。

子どもにも「ひとりの方が心地よい」ときがある

幼稚園の先生から「ひとりで遊ぶことが多いです」と言われたり、友だちと一緒に公園に行ってもひとりで砂場で遊んでいたりするわが子を見ると、心配になることがあると思います。

友だちがいないのか、輪に入れないのか、寂しくないのか…と、不安の種は尽きないでしょう。

ですが、ひとりで遊んでいるというのは、その子が自分の世界を持っているということ。自分だけの世界で、集中して遊びふけっている状態です。

子どもの表情を観察して辛そうでなければ、「今はひとりで遊ぶのがなにより楽しいんだ」と解釈して大丈夫。心配して「お友だちと遊びなよ」と強引に誘う必要はありません。

考えてみれば、大人でも他人といつも一緒にいるのは疲れますよね。本や映画などを集中して楽しんでいるときは、たいがいひとりだったりします。「子どもも同じように、ひとりを楽しみたい時間があるんだ」と考えましょう。

●友だちは同年代でなくてもいい

ただ、もしひとりでいるのが辛そうだったり、退屈そうだったりする場合は、親として、だれかと分かち合うきっかけを用意してあげることが大事です。

いきなり公園で友だちをつくるのは難しいでしょうから、たとえば「理科が好き」なら科学クラブのような団体に連れて行くなど、子どもと同じ趣味・趣向を持つ人が集まりそうな場所を探してあげてください。

このとき、相手が同年代である必要はなく、年の離れた大人でも問題ありません。

静岡県にある“幼魚水族館”で館長を務める鈴木香里武さんは、「子どもの頃は同
世代の友だちが少なく、自分が話したいと思い、声をかけて友だちになった大人と
魚の話をしていた」と語っていました。

こういった出会いや活動の場が、子どもにとって居心地のいい居場所となること
や将来につながる可能性もあります。

子どもが外で遊ばなくても心配しなくていい

また、なぜか大人は、子どもが外で元気に遊んでいると健全に思えて安心する節があります。

もちろん外遊びで得られる利点もありますが、たとえばごっこ遊びが想像力の源泉となるように、室内遊びにもよい点はたくさんあります。

子どもでも、虫ぎらいだったり、外遊びが性に合わなかったり、体質的に日光が苦手だったりする場合もあります。子どもが外遊びをしたくなるきっかけを設けることはいいですが、こちらも無理強いはしないように気をつけましょう。

●大事なのは、子どものしたいことをするということ

室内遊びであろうと、外遊びであろうと。ひとりであろうと友だちと一緒であろうと。仲のよい友人が年下であろうと大人であろうと。いちばん大事にしたいのは、子ども自身がやりたいと思っていることを実践しているかどうか。

親としてできることは、見守る、そしてきっかけを与えることです。