家の建材と聞くと、強度やコストばかりに目が向きがちですが、実は「どんな木材を使うか」で住み心地に違いが出てくることをご存知ですか?
今回は、ホームインスペクションを手がける株式会社さくら事務所のホームインスペクターであり建築士の小西さんが、「天然乾燥材」に対するこだわりを語ってくれました。

■木が本来持つ“力”を活かす天然乾燥
小西さんが注目するのは、「天然乾燥」と呼ばれる木材の乾燥方法。2~3年かけて自然の風にさらすことで水分を抜く昔ながらの手法です。
「ゆっくり乾かすからこそ、木が持っている“精油成分”が残るんです」と小西さん。精油成分には、香りやフィトンチッド(リラックス効果)といった癒しの効果のほか、防虫や調湿といった実用的なメリットもあるそう。

■金物工法には人工乾燥材、木組みには天然乾燥材
現代の住宅で主流となっている「金物工法」では、人工乾燥材がよく使われています。これは高温で乾かすことで木の表面が硬くなり、加工しやすくなるから。
一方で、天然乾燥材は時間をかけて自然に水分を抜いていくため、外側に割れが出やすいという特徴があります。ですが、その“割れ”こそが伝統的な「木組み」と相性が良く、構造材としての本来の魅力が活きるのだと小西さんは話します。
「天然乾燥の木は、“生きた素材”としての良さがちゃんと残っているんです」
現代の合理性とはまた違う、手間ひまかけた素材の魅力。リフォームや古民家再生にこだわりたい方にとって、知っておいて損はない視点かもしれません。

■昔の家に、実は“宝”が眠っているかも?
ホームインスペクションで訪れる築30~40年の中古住宅の中には、「あ、これは天然乾燥材だな」と感じるものもあるのだとか。
「湿気が多くても、合板主体の家より状態がいいと感じることがあります」
昔ながらの木組みの家や古民家では、構造そのものが天然乾燥材を前提に組まれていることも多く、劣化の仕方も現代の建材とはまったく違うそうです。
一見、古びて見える木材でも、実は長く使える“ポテンシャル”を持っているのかもしれません。

■“節あり杉”が、実はコスパ最強?
床材として人気の「杉」も、天然乾燥されたものは柔らかく、素足でも心地よい素材。節があることで表情も豊かになり、しかも精油成分はその“節”に最も多く含まれているというから驚きです。
傷がつくからダメ、じゃなくて“味になる”と捉えて使うと、杉の床ってすごく魅力的だと小西さんは語ります。

チャンネル情報

個人向け不動産コンサルティング会社「株式会社さくら事務所」◆株式会社さくら事務所さくら事務所は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を目的として、創業者・現会長の長嶋修が設立した、中立・公正な業界初の個人向け総合不動産コンサルティングサービス企業です。