今週のテーマは「2ヶ月に二度しか会えなかった結果、既読スルーになった理由は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:2ヶ月でデートは2回だけ…。大人の恋愛がスムーズ進む、会う頻度の正解は?




朝から、身体の節々が痛い。今年は体調を崩す人が周りに続出しているけれど、しっかり、私も風邪にかかってしまった。

だいぶ回復はしているものの、ベッドの中でうずくまりながら、昨日のデートを思い出してみる。

食事会で知り合った、外資系の保険会社に勤める33歳の哲也。

体育会系のノリがあって明るく、悪い人ではない。年収も、きっと1,500万くらいはあるだろう。

結婚したい私からすると良い条件ではある。

でも私は、二度目のデートで決定的に「この人は絶対にない」と判断した。


A1:気が利く良い人だな、と思っていた


哲也とは、知人が開催してくれた食事会で出会った。

外資系保険会社勤務だという哲也はがっしりとした体型で、「この人、体育会系なんだろうな…」と一目でわかる出立ちだった。

ただ話してみるといい人で、会話は盛り上がる。

しかも食事会の翌日、個別で連絡が来て食事へ誘われたので、私はなんとなく行ってみることにした。

哲也が予約してくれたのは、恵比寿にある『福味み』だった。九州の素材を活かした和食は気取ってないのに美味しくて、「お店選びのセンスはいいな」と言う印象を受ける。




そして話しているうちに、哲也が独身で結婚願望もあるということがわかる。

「え!百合さん、こんな可愛いのに?本当に今彼氏いないんですか?」
「そうなんです…実は先月別れたばかりで。哲也さんは?」
「僕もですよ。しかも今、真剣に結婚相手を探していて。百合さんは?」

33歳で独身、外資系保険会社勤務…。「性格も良さそうだし、相手としては申し分のない条件だな」と、勝手に頭の中で考える。

「私もです。今年で32ですし、真剣に結婚したくて」
「僕は、もう周りがほとんど結婚していて…」
「そうなんですよ!」
「本当に、続々と独身が減っていきますよね…」

しかも哲也は、結婚がしたいらしい。

条件が良くて、結婚願望のある独身男性なんて、こちらからしたら大感謝、大歓迎だ。

「みんなパパッと結婚を決めていて。すごいなぁって思います。哲也さんは、どういう方がタイプなんですか?」
「僕は笑顔が素敵で、何かを頑張っている人かな」
「それは、仕事とか?それともなんでもいいんですか?」
「うん、なんでも。頑張っている姿って、美しいじゃないですか」

意外に真面目そうだし、今のところ嫌な点が見つからない。しかもちゃんと、初デートで期待を持たせるような恋愛の質問もしてきてくれる。

「百合さんは?どういう方がタイプですか?」
「私は、尊敬できる人かな。あとは思いやりがある人かな」
「思いやりは大事ですよね。お互い尊敬し合える、というのも素敵です」

「鮭ハラスといくらの醤油漬け」を食べながら、私はほっこりとした、温かな気持ちに包まれた。




しかも、お互いの好きなタイプなどを話している時だった。

「百合さんは?どういう方がタイプですか?」
「私は、尊敬できる人かな。あとは思いやりがある人かな」
「思いやりは大事ですよね。お互い尊敬し合える、というのも素敵です」

ここまで話すと、私のグラスが空いたのをすぐに気がついてくれた哲也。

「次、何を飲まれますか?」
「どうしようかな…。哲也さんって、すごく気が利きますよね?最初にお会いした時から思っていたのですが」
「そうですか?営業職だからかな」

― この人、すごく気を使ってくれる人なんだな。

初回の時も思ったけれど、細やかな気遣いができる人なのだろう。

「百合さんも、すごく気遣いをされる方ですよね?」
「どうでしょうか。哲也さんほどではないですよ」

― もう少し、デートを重ねてみよう。

そう思っていると、哲也はちゃんと次の食事も誘ってきてくれた。

「百合さん、今日はとても楽しかったです。よければ、また食事へ行きませんか?」
「もちろんです」

ここまでは、良かった。もう少し回数を重ねたら、好きになっていく気もしていた。

でも二度目のデートで、私は一刻も早くこの人は切ろうと思うことになる…。


A2:上っ面だけで、思いやりのカケラもない男だなと気がついた


年末年始があり、バタバタと忙しくしているうちにあっという間に時間は過ぎ、哲也と会うのにしばらく時間が空いてしまった。

別に、それは構わない。お互い忙しいのは良いことだと思うから。問題は、そこではなかった。

忙しかったこともあり、哲也との約束の数日前に風邪を引いてしまった私。「どうしようかな」とも思ったけれど、お店の予約のこともあるので、早めに連絡をした。

― Yuri:哲也さん、すみません!少し体調を崩してしまいました。熱はなく、インフルやコロナではなくただの疲れからくる風邪なのですが…

一応病院へ行って検査した結果、ただの風邪だった。とはいえ、しんどいことに変わりはない。

ただ哲也から来た返信に、私は一瞬目を丸くする。

― 哲也:熱などないようでしたら、僕のほうは大丈夫ですよ!百合さんが良ければ、ご飯行きましょう。




「いや、違うだろ」

思わず、そう声に出してしまった。

普通、このLINEが来たらまずは「大丈夫?」とかではないだろうか。そして体調が悪いと言っているのに、「リスケにしますか?」などの提案はできないのだろうか。

― Yuri:そうですか、ならそのままで。

そうは言ったものの、ものすごくモヤモヤする。でもお店の都合もあるから、私の方から「キャンセルできますか」とは言いづらい。さらに熱もなく、ただの風邪という点も微妙だ。

それでもしんどいことに変わりはなく、できるならばリスケして欲しかった。

そして、そういうオファーをしてくれるものだと勝手に思っていた。

― ダメだ、この人。相手の体調とか心配しない人だ…。

そう思うと、二度目のデートはもう憂鬱でしかない。行く直前までどうするか悩んだけれど、ドタキャンは良くないから行くことにした。

けれどもやっぱり、デートをしていても楽しくはない。

「体調大丈夫ですか?」
「全快ではないのですが…」
「本当だ。まだ鼻声ですね。熱とかは?」
「熱は出ていなくて。疲れが溜まっていたのか、免疫力が落ちていたのか…」
「お酒は大丈夫ですか?無理なさらずに」

― 今この状態で、お酒なんて飲めるわけないでしょ?

「この人は何も考えていない」ということがどんどんわかっていく。




「ありがとうございます。今日はほどほどにしておきます」

そうは言ったものの、鼻が詰まって食事のせっかくの香りや味わいも楽しめず、「やっぱり断れば良かった」という後悔ばかりが募っていく。

しかし食事をしていく上で、どうして哲也がそうなったのかわかった気がした。

「哲也さん、スポーツか何かされていましたか?」
「僕はずっとラグビーをしていました。体育会系なんですよ」
「そうなんですね!」

― なるほど…。

勝手なイメージで申し訳ないけれど、この程度の風邪なんて哲也からすれば本当に小さなことなのだろう。きっと練習も休めなかったに違いない。

でも私にとっては大きなことだし、「体調が悪い」と言っているのに、デートを決行する男の気が知れない。

「しかし今年、本当に風邪が流行ってますよね…周りも結構休む人が多くて」
「そうなんですよ。哲也さんもお気をつけて!今日でうつらなければ良いのですが…」
「僕は元気が取り柄ですし、毎日トレーニングもしているから大丈夫ですよ。とりあえず、食べましょう。食べて元気になってください!」
「ありがとうございます。いいですね、哲也さん元気で」

これで仮に結婚でもして、体調を崩したときにはどうするのだろうか。多少の熱があっても気にしないだろうし、気にもしてもらえない。「大丈夫だよ」で終わってしまう。

健康なのは良いことだけれど、こういうときの対応で、相手が持つ本当の優しさや気遣いが見えるもの。

グラスが空になったから飲み物をオーダーするとか、そんな上っ面な優しさはどうでもいい。本当に大事な気遣いは、別のところにある。

だから私は、哲也と連絡を取るのを早々にやめた。

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女が逃げた理由