2022年12月13日、「世界バンタム級4団体王座統一戦」が東京の有明アリーナで開催される。試合に先駆けて、世界バンタム級3団体統一王者の井上尚弥選手とWBO世界バンタム級王者ポール・バトラー選手らが記者会見に臨んだ。

――試合を3日後に控えた今の気持ちを教えてください

井上尚弥(以下、井):いよいよという気持ちでいっぱいです。壇上に4本のベルトが並んでるのを見ると、ますますやる気も増しますし、バンタム級での最終章いよいよだなという気持ちでいっぱいです。

――ポール・バトラー選手はどんな選手ですか

井:今日初めて会ったんですけど、非常に調子もよさそうで、全体的に優れたボクサーなので、13日は気を抜かずに自分の仕事をするだけです。

――計量含め、コンディションはいかがですか

井:試合前のトレーニングは昨日で一旦終了というかたち。あとは疲れを抜いて、体重調整という段階ですね。いつも通り調子はよく仕上がってます。

大橋会長「スピードとパンチ力が1ラウンドから火を噴く」


――大橋秀行会長から見て、井上尚弥選手の仕上がりはどうですか

大橋秀行(以下、大):アメリカでのスパーリング合宿を積んで、6月が(ノニト・)ドネア戦だったんですけど、そのときより1.5倍強くなった印象があります。

――注目しているところを教えてください

大:スピードとパンチ力が1ラウンドから火を噴くと思いますので、そちらに注目してもらいたいと思ってます。

――ポール・バトラー選手、今の気持ちはいかがですか

ポール・バトラー(以下、バ):非常に調子は良いです。リングに上がったら、自分の仕事をするだけです。

――井上直也選手の印象、会った感想を教えてください

バ:非常に良い選手だと思っています。私は良い選手と戦う、それだけです。

「日本で4団体統一王者が誕生する誕生を見てほしい」


――計量を控えた今のコンディションはいかがですか

バ:予定通り減量は進んでいて、計量の準備は整っています。

――母国の方々や日本のファンに向けて意気込みを聞かせてください

バ:試合は楽しみにしていますが、かなり厳しい試合になるというふうに思っています。チャンピオン同士の戦いというところで、4団体の統一、ベルトをかけての戦いということになりますが、それを全て取ることができたら、史上初になると思っているので、それもかけて、頑張っていきたいと思います。

――井上尚弥選手、日本中のファンに向けてメッセージをお願いします

井:この4団体統一戦というのは、自分も待ち臨んだ試合でもありますし、ファンの方も日本で4団体統一王者が誕生するというところをしっかりと目に焼きつけてもらいたいと思うので、12月13日はお見逃しなく必ず試合を見て、応援してくれたらなと思うので、応援のほどよろしくお願いします。

平岡アンディ選手「来年は世界で戦っていきたい」


――セミファイナルに出場する平岡アンディ選手、今の気持ちは

平岡アンディ(以下、ア): 4団体統一の全体として出られること、とても誇りに思ってますし、ますます負けられないなという気持ちで、練習励んできました。頑張りますんで、応援よろしくお願いします。

――対戦相手のジュン・ミンホ選手はどんな選手ですか

ア:ミンホ選手もベルトをかけて、本気でぶつかってくると思います。僕もここでは負けてられないし、来年は世界で戦っていきたい気持ちで練習してきたんで、通過点として頑張りたいと思います。

――計量に向けて、調整はいかがでしょうか

ア:調整はもちろんよくできてますし、今日最後1日動いて1日休んで計量に行きたいと思ってます。

――お父様でもありますジャスティス・コジョトレーナー、アンディ選手の仕上がりはいかがでしょうか

ジャスティス・コジョ(以下、コ): 1番調子良いんじゃないかなって。今まで思うように試合ができてなかったですけど、今回はばっちり練習して。練習の内容が出ればいいんじゃないかなと。

――試合ではどんなところに注目していけばいいでしょうか

コ:1ラウンド始まれば、どういうパターンでやればっていうのができてくるから。相手が思いっきり入ってくれば、思いっきり倒すと思うけど、逃げても追っかけて倒しに行くパターンで行きます。

――アンディ選手、日本のファンにメッセージをお願いします

ア:4団体統一戦のセミファイナルとして良い試合できるように頑張りますんで、皆さんdTV、ひかりTV、テレビの前で応援よろしくお願いします。

タリモ選手と対戦、武居選手「簡単に倒すつもりで戦う」


――第4試合に出場する武居由樹選手、初防衛戦を控えた今の気持ちを教えてください

武居由樹(以下、武):ここまでいつも通り順調に進んできました。 あとは、体重だけしっかり調整して試合に臨みたいと思います。

――ブルーノ・タリモ選手の印象を聞かせてください。

武:いかつくてかっこいいなって思いました。

――試合を見た印象はいかがですか

武:試合を見た印象はそうですね、本当にガンガン前に来る気持ちの強い選手で、フィジカルも強いだろうなっていう感じだと思います。

――計量に向けてコンディションはいかがでしょうか

武:いつも通り来れたので、軽量まで気を抜かずにしっかり調整していきたいと思います。

――八重樫東トレーナー、武居選手の今回の仕上がりいかがでしょうか

八重樫東(以下、八):前回よりもしっかり調整できてるような気はします。

――八重樫トレーナーが注目しているところを教えてください。

八:タリモ選手はスーパーフェザー級7位にもランクされている選手で、キャリアも十分あるので前回よりも厳しい戦いになると思ってます。なので、KOを本人は狙っていくとは思うんですけれども、長いラウンドをこなすっていうのも、キャリアの一部になるので、どういう試合になるかわかんないですけど、いかようにも対応していきたいなと思います。

――ブルーノ・タリモ選手、今の気持ちを教えてください

ブルーノ・タリモ(以下、タ):今回このような試合に参加させていただくということで、日本に招待してくれてありがとうございます。プロモーションの皆様にも、このような大きなチャンスを私のみならず、家族やチームに与えてくれて、非常に感謝をしております。

本当は、ここで日本語でこんにちはと申し上げたかったんですけれども、というのも、オーストラリアで、私のスパーリングの相手をしてくれていたのが日本人でして。そこから日本語を学んで、ここで話そうとしたんですが、全て忘れてしまいました。申し訳ございません。

どういう風に感じているのか、非常に気持ちがいいです。日本に来れたこともとても嬉しいですし、日本人もとても親切だと思っております。今回のこのファイトは非常に大きなプロモーションでもあって、 また、井上選手は世界でも名が通っている選手である、それ以外にも有名な日本の選手がいるというところで、今回大変嬉しい。そして、試合に関しましては、最善を尽くしてやりたいと思います。

――実際に武居選手に会ってみての印象、そして選手としての印象を聞かせてください

タ:最初に、一生懸命「こんにちは」を言おうとしたんですが、やっぱり思い出せませんでした。武井選手についてなんですけれども、非常に尊敬をしております。いい選手だと思いますし、ハングリー精神を持っていて、次の井上選手のようになりたいと思っていらっしゃる方だと思います。

今回この試合のオファーをいただきましてから、彼の試合を見てきたわけですけれども、非常にパワフルかつスキルの高い選手であるというところで、そういう意味でも尊敬をしております。今回の試合に向けて、私たちもするべきことはしてまいりました。

――武井選手、ファンの皆様に一言お願いします

武:タリモ選手は多分簡単には倒れてくれない、そんなタフな選手だと思うし、本当に強い選手だと思いますけど、僕は簡単に倒すつもりで戦うので、13日楽しみにしていてください。

バトラー選手「今回のベルト獲得には大きな意味」


――世界チャンピオンとして、ベルトを4つ全部集める意義や価値についてどのように考えていますか

井: 4本のベルトを集めるというのは、バンタム系でのナンバーワンを示すという、自分にとってはすごく必要なベルトだと思ってるので、ベルトを4本集めてから、スーパーバンタム級に行くなり、次の進路を決めていきたいなと思ってます。

バ:誰にとってもと言いますか、自分にとっても、非常に大きな戦いであるというふうに理解をしています。というのも、4団体統一のベルトを獲得するというのは、イングランド人としても初になりますし、バンタムウェイト級というところでも、初になるというところで、非常に大きな意味合いを持ってきます。ですので、この4団体統一をするというのは、そういう意味で、非常に自分にとっては大きな意味があります。

――井上選手、どのような試合を国民に見せたいですか

井:4団体統一という試合の最後の相手になるポール・バトラーですが、前戦のドネアのスタイルとは違って、12ラウンドフルに使って 戦ってくる選手であるので、もちろん自分は倒す準備も、長引いたとしても、そのボクシングに対応する準備はしてきたので、KO決着であろうが、判定決着であろうが、ボクシングの 素晴らしさというものを伝えられたらなと思うので、12月13日は今までに見せたこともないボクシングをすることもあるとも思いますし。そこは全てリングに上がってから、直感力とひらめきで戦いたいなと思ってます。

――大橋会長がアメリカでの合宿を終えて1.5倍強くなったと仰っていましたが、井上選手自身はどのぐらい強くなったと感じていますか

井:技術がどうのこうのというよりも、精神的にアメリカでスパーリングをこなしてくるという、そういった意味で、すごく意味のあるトレーニングだったのかなと思うので。1.5倍ぐらいは強くなったんじゃないかなと思います。

――公開練習でバトラー選手のマネジャー兼トレーナーであるジョー・ギャラガーさんが、井上選手はディフェンスに弱点があると仰っていました。ディフェンスの自信についてコメントをお願いします。

井:ディフェンスに徹底したら、 1発ももらわないであろう自信はあるので。そこはボクシングですから、自分も倒しにいくわけで。その中での被弾っていうものは、少なからずあるわけで。実はディフェンスが1番得意なんだぞっていうところも見せていきたいなと思ってます。

――バトラー選手、今のお話を聞いてコメントをお願いします

バ:特にコメントをするようなことはないんですけど、仰っている通りだなという印象を持ちました。ただ、何か弱さを見せてきたときには、そこをついていきたいなという風に思っております。

黒髪で登場した井上選手「初心に帰る」


――公開練習の際には髪を染めていたようですが、きょうは黒く染められています。そこに込められた思いがあるのでしょうか

井:よくぞ聞いてくれました。これ黒く染めたんではなく、地黒なんですよ。 その意味というと、この4団体統一戦、初心に戻って。髪の色黒くて最後に試合したの多分21のときなんで。髪の毛っていうのは、そのときの気分だったり、テンションだったり、気持ちだったりってものが全て含まれて現れると自分は思ってるんで。 この4団体統一戦というところに向けた意気込みとして、初心に帰ろうかなと。それで黒くしてみました。

――さきほど大橋会長がスピードとパンチ力が1ラウンドから火を噴くと宣言されていました。その展開についてはいかがですか

井:いえ、今のところその作戦はございません。

――バトラー選手との試合でこれだけはやってはいけない、気を付けなければいけないと思っていることはありますか

井:非常にテンポが良くて足が常に動いてる選手なんで、テンポだったり、そういったものを持ってかれないようにっていうものは気を付けていきたいなと思ってます。

会見動画: https://youtu.be/9ZeVRph2mp4