カリフォルニア州やアリゾナ州を含むアメリカ西部で45℃に達するほどの記録的な猛暑が観測されました。この猛暑で、Twitterのデータセンターが完全にシャットダウンしてしまったと、アメリカのニュースメディア・CNNが報じています。

Extreme California heat knocks key Twitter data center offline - CNN

https://edition.cnn.com/2022/09/12/tech/twitter-data-center-california-heat-wave/

Twitter admits US datacenter melted down in Labor Day heat • The Register

https://www.theregister.com/2022/09/13/twitter_datacenter_labor_heat/

Google、Metaなどの巨大テクノロジー企業は、データセンターに障害が発生してもサービスを維持できるようにするため、複数のデータセンターを所有しています。Twitterも、膨大なトラフィックを毎秒処理するためのデータセンターをサクラメントやアトランタ、ポートランドなどに所有しています。

データセンターでは大量のサーバーが動作中に発熱するため、冷却システムが非常に重要です。そのため、各テクノロジー企業は北極圏に建設したり、データセンターを丸ごとスコットランドの海底に沈めたり、低温で沸騰する特殊な液体にサーバーをまるごと沈めたりと、さまざまな試みに取り組んでいます。

煮えたぎる液体にサーバーを沈めて冷却するMicrosoftのデータセンター - GIGAZINE



ITコンサルティング企業・UptimeInstituteが2020年に行った調査報告によると、データセンターで消費されるエネルギーの約40%が冷却システムに使われているとのこと。また、外気温が通常より2℃上昇すると空冷や気化冷却システムの効果はほぼなくなり、状況によっては経済性が損なわれる可能性があるそうです。

CNNが入手した内部文書によると、Twitterのエンジニアリング担当ヴァイスプレジデントであるキャリー・フェルナンデス氏が社内エンジニアに向けて「9月5日に、サクラメントにあるTwitterのデータセンターリージョンが異常気象によって消失する事態に見舞われました。この前例のない出来事により、サクラメントのデータセンターにある物理設備が完全にシャットダウンしました」と報告したとのこと。

また、フェルナンデス氏は「サクラメントのデータセンターが停止したことで、Twitterは非冗長状態にあります」と述べています。さらに事態発生当時、アトランタとポートランドにあるデータセンターは稼働していたそうですが、この2つのデータセンターのどちらかに問題が生じてしまうとTwitterそのものが利用できなくなってしまう可能性があるとフェルナンデス氏は警告しています。

CNNは「この問題は、Twitterの最も基本的なシステムにあるいくつかの脆弱(ぜいじゃく)性を浮き彫りにしています」と指摘。Twitterの内部告発を行ったピーター・ザトコ氏も「データセンターの停止が一時的に重複した場合、Twitterのサービスが数週間、数カ月、あるいは永久にオフラインになる可能性は高い」と証言しているとのこと。

Twitterの広報担当者はCNNに対して「(記事作成時点では)Twitterの可用性に影響を与える混乱は発生していません。私たちのチームは更新した情報を発信するために必要なツールやリソースを備えており、Twitterのシームレスな体験を提供するために引き続き取り組んでいくつもりです」とコメントしました。