この記事をまとめると

マツダがCX-60で直列6気筒エンジンを採用して話題となった

■かつて多くのクルマが採用していたが、いまはかなり減っている

■そこで直列6気筒エンジンのメリット・デメリットを解説する

滑らかに回るのが最大の持ち味

 マツダが突如発表して驚いたのが直列6気筒の復活。海外ではBMWがこだわり続け、なんとかラインアップしているが、日本車に関してはマークXを最後に絶滅してしまっていた。直6といえば、その昔ならトヨタ、日産は力を入れていた形式で、L型や1J型など名機も多く生まれた。さらにグレードの差別化にも利用され、たとえばスカイラインは、GT、GT-Rは直6で、スタンダードグレードは直4だったりした。それが突如として復活なのだが、直6のメリットとデメリットはなんなのか? 改めて整理してみよう。

回転が滑らか

 BMWの直6をシルキーシックスと呼ぶように、振動が少なくて滑らかに回るのが最大の持ち味だ。構造的な特徴で、各気筒が完全にバランスされ、いわゆる二次振動が打ち消されるというのが理屈。二次振動とは、ピストンの上下運動に加えて発生する横方向などの振動のこと。

パワーが出しやすい

 振動が少ないというのもあるし、クランクが120度回転する度に爆発が起こるというのも有利に働いている。その分、燃費には不利ではある。

音がいい

 120度ごとに爆発が起こっているので、きめ細かい整った音になる。滑らかさと相まって、直6の魅力にもなっている。

大きくなることで生じるデメリットも

大きい

 ここからがデメリット。シリンダーが6つも並ぶので全長が長くなる。そうなると、搭載スペースや車種が限定されてくる。FRには適していてもFFにするのも難しい。また、縦置きにするにしても、衝突安全にとって不利になる。ただし、BMWの最新の直6を見るとわかるが、シリンダー間(ボアピッチ)をもの凄く狭く取ることで、直4と見間違えるほどのサイズにしている。

重たい

 長いだけに、重たくなるのも当然のこと。シャシーやボディ設計をうまくやらないと、フロントヘビーになってしまい、ハンドリングなどにも影響を及ぼしかねない。

熱が均一になりにくい

 エンジンは全体を均一に冷やすのが理想。直6では長くなるので、それが難しいし、前側と後側でも冷却環境が違ってきたりする。この点でも燃費に悪影響を及ぼしてしまうほか、排ガスの点でも不利。

メンテが大変

 今どきオーバーホールやタペット調整はしないだろうが、もしするとなると大変。ピストンは当然、6個あるし、バルブは4バルブだと24本もある。プラグも6本も必要になる。なにかと費用がかさむことになる。