16日、大相撲の横綱・稀勢の里が現役引退を発表した。

2017年の春場所で左胸や左腕を負傷すると、以後、休場を繰り返しケガと戦いながらの土俵生活に。それでも本人は一切の言い訳をせず、引退会見でもケガについては多くを語ろうとしなかった。

すると17日、日本テレビ「スッキリ」では稀勢の里を支えてきた医師・増渕和男氏のコメントを紹介した。

18歳から稀勢の里を知る増渕氏は、今場所初日の夜、稀勢の里に会った時の様子を話すも、「(稀勢の里は)いつも通りでした。『今日は負けたけど明日は頑張ります』って」などと気丈に語っていたという。

その一方、同氏は稀勢の里の左胸と左腕について「筋肉の断裂だったということが大きかった」と切り出すと、「彼が思っている以上に重症だった。傷も深いし幅も広いし傷の程度はかなり重症だと聞いていた」と明かす。

その上で「(仮に)力を100出しているつもりでも60とか70しか伝わらない。自分が思ってる以上に力が出なかった」などと推し量ると、その深刻な状況を説明しつつ、「彼は弁解をしない人ですから。ケガしたのは自分のせいだから稽古をしてなんとか治して自分で補っていこうという気持ちが(あった)。絶対弱音を言いません」とも語っている。