「SDGsは“三方よし”」誰かに話したくなるSDGsの始め方
三方よしは近江商人の心得で、売り手も買い手も満足し、社会貢献できるのが良い商売だと説いたものだ。このため、難しく考えなくても、もともとの商売を見直すことでSDGsの達成に貢献できる。千葉商科大では、エネルギー問題に力を入れており、「100%再生可能エネルギーを利用する、日本で第1号の大学になる」(原科学長)と目標を語る。
17の目標の中には、3番の「すべての人に健康と福祉を」や、4番の「質の高い教育をみんなに」など、日本ではある程度満たされ、普段の生活では課題を感じにくいものもある。だが、3番の健康には交通事故の削減、4番の教育には生涯にわたる教育訓練も含まれる。
SDGsは5つの構造で考えるとわかりやすい。1-6番は人間の生活をチェックするもので、7-11番は繁栄、12-15番は地球、16番は平和をチェックする。それら全てを17番のパートナーシップで実現しようという立て付けだ。「構造がわかると、人に話してみたくなる。持続可能な社会づくりのための共通言語と捉えて、使ってみてほしい」(笹谷氏)という。
パネルディスカッションでは、企業のSDGsの始め方について、笹谷氏と千葉商科大の伊藤宏一教授、イオンの金丸治子グループ環境・社会貢献部長、京葉銀行の常世田晃法人営業部地域振興グループ次長が話し合った。
伊藤教授は、短い鉛筆と新しい鉛筆とつなぐための鉛筆削り器を販売する中島重久堂(大阪府松原市)を紹介。短い鉛筆を捨てずに、もったいない精神を学べると、国内外で評価されている。伊藤教授は「本業をSDGsの視点でどう見直すかが大事」と語った。
イオンの金丸部長は、2050年までに店舗運営の二酸化炭素(CO2)排出量ゼロを目指す狙いなどを説明。「SDGsをきっかけに活動を始めたのではなく、これまでの環境活動などをSDGsに当てはめた」(金丸部長)。
京葉銀行の常世田次長も、「地域の金融機関としての取り組みを仕分けするとSDGsに合っていた」と語った。以前からCSR活動や地方創生など、地域に必要とされ、他社と差別化するためにやっていたことだ。「行員のモチベーション向上や採用につながっている」(常世田次長)。
SDGsの取り組みは、こうしたメリットを得られるだけでなく、予想外の批判を浴びるリスクを減らすこともできる。多くの企業が身近なところから始めることが期待される。
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