太陽光発電の出力抑制で考える、再エネ主電源化へ必要なこと
太陽光発電が普及した九州では晴天の週末、電気が余りやすくなった。九電は火力発電の供給を減らしたり、電気を本州へ送ったりしたが供給過剰が避けられず出力抑制に踏み切った。抑制中、対象の太陽光発電所は電気を売れなくなる。抑制回数が増えると売電収入が減るため事業計画を見通せなくなる。
太陽光発電協会がまとめた見解で、一部抑制でさらなる太陽光発電の導入が可能となり「発電量を大幅に増やすことにつながる」とした。設置を制限するよりも、抑制をしながら設置を増やした方が年間トータルで太陽光発電の電気をより多く使えるからだ。
ただし「抑制量を最小化するのは当然」と強調する。協会の増川武昭事務局長は「抑制は最後の手段」とも付け加え、他地域への供給、揚水発電の活用、予測精度向上など既存制度や技術をフル活用するように要請する。
また需給で価格が変動する価格メカニズムの活用も訴える。出力抑制が必要となる時間帯の電気代を下げ、電気を使うように働きかける。洗濯機、給湯機、電気自動車は安い電気を使って充電などができて家庭にもメリットとなる。供給が増えても電気の消費量が増えれば、抑制量を減らせる。
現状、出力抑制があった時間の卸電力スポット価格に大きな変動はない。11月4日、九州の日中は1キロワット時6円前後と他地域と同価格だった。一方、平日の日中は価格が下がりやすくなった。10月18日は九州だけ1円をつけた。太陽光発電が大量供給するので電気が余りがちとなり、価格が下がったようだ。「出力抑制がある日も、価格が変化してもおかしくない」(増川事務局長)と話す。
業界では出力抑制が太陽光パネルの導入意欲を低下させる「風評被害」を心配している。太陽光パネルの需要が止まると、再生エネを主力電源化する国の方針にも水を差す。価格メカニズムの活用など、官民で対策を検討する必要がある。
(文=松木喬)
