花王の水性インク拡販のカギを握る環境問題
現在、軟包装フィルム印刷の分野で、従来のアルコールを含む水性インクを使っている企業などに拡販している。日本では印刷の質を上げるため、VOCを使った油性インクやアルコールを含む水性インクが使われており、環境改善が課題となっていた。
10月に投入する新製品は、ルナジェットとポリエステル系樹脂技術を融合し、紫外線硬化型インクと同等の画像耐久性を実現。印刷後ににおいが残らないため食品包装にも適している。根来昌一執行役員は「新しいインクによって、応用範囲が広がっていく」と販路拡大に期待を込める。
インク事業では、環境負荷低減を目指すとともに、将来的にはグラビア印刷における水性インクの展開も視野に入れている。また、海外での売り上げ拡大も目指しており、16年に米国とスペインのインク事業会社を買収するなど、足場を固めている。
花王は25年までにケミカル事業全体で、環境対応型製品の比率を現在の約7割から8割に引き上げる目標を掲げている。BツーB(企業間)向けのケミカル事業が花王全体の売り上げに占める割合は2割にのぼり、高画質に低温定着できるトナーは世界シェア3割を持つ。
(文=高島里沙)
