ジャイアンツ・青木宣親【写真:田口有史】

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550万ドルの契約オプション破棄も…GM「交渉の窓口を閉じているわけではない」

 ジャイアンツが青木宣親外野手の来季契約延長のオプションを行使しないと地元紙「サンノゼ・マーキュリー」が報じている。

 ジャイアンツは今季開幕前に青木と1年契約を結んだ。球団側が来季550万ドル(約6億6650万円)の年俸で契約できるオプションが付いていたが、同紙は球団側がこの契約延長選択権しないと伝えた。この日、ボビー・エバンスGMが明らかにしたという。

 ジャイアンツはオプションを行使しない一方、フリーエージェント(FA)となる青木に70万ドル(約8400万円)を支払うことになる。また、今季途中に獲得したマーロン・バード外野手のオプション行使も見送られたという。

 青木は今季レフトのレギュラーとして93試合に出場。打率2割8分7厘、5本塁打、26打点、14盗塁という結果を残した。前半戦は打率、出塁率、盗塁の3部門でリーグ10傑に入り、自身初のオールスター選出も現実味を帯びるほどの活躍を見せたが、6月20日のドジャーズ戦で死球を受けて右腓骨を骨折。さらに、8月9日のカブス戦では頭部に死球を受け、脳震盪に苦しめられた。特に脳震盪の症状は再発を繰り返すなどし、9月は2試合の出場にとどまった。

 同紙によると、エバンスGMは青木の契約延長を見送った理由にチームの補強戦略を挙げたという。青木に対し、現時点で550万ドルの年俸を保証することは「我々の(資金面の)柔軟性の負担になる可能性がある」とコメント。チームの最優先事項はエース級の先発投手の獲得、また、外野手に関してはトレードでの戦力アップの可能性を模索するという。

GM苦渋の決断、「チームにとって重要な役割を担っていた」

「タイミングが良くなかった。今オフは着手しなければいけない事柄がたくさんあり、様々な選択肢を考慮しておく必要がある。現時点でレフトのレギュラーの構想を決定することは難しい」

 そう苦渋の決断を語りながらも、青木との契約の可能性がゼロになったわけではないとも強調。「我々は交渉の窓口を閉じているわけではない。間違いなく彼を呼び戻すことに興味を持っている。もし彼を呼び戻すことになれば、誰しもが彼の役割やロースターに入る意義ということを理解するはずだ。数週間後、数か月後には進捗があるはずだ」と話したという。

 今回の決断の裏には青木の度重なる負傷も少なからず影響したようで、同GMは「オフシーズンの会議で多くの議論を重ねたテーマだ。前半戦を終える前に彼は故障し、それがオールスター選出を逃す一因となってしまった。彼は序盤、打線の火付け役として活躍し、チームにとって重要な役割を担っていた」ともコメント。

 今回は球団側がオプションを破棄する結果となったが、今後、ジャイアンツとの契約が成立する可能性があるのか。2年連続でFAとなった青木の去就が注目される。