マーリンズ・イチロー【写真:田口有史】

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イチローマリナーズに復帰させるべき!? 7月末までのトレードの可能性が浮上

 マーリンズのイチロー外野手を、7月末のトレード期限までにマリナーズに復帰させるべきだと米メディアが報じた。2001年から11年半活躍した古巣への電撃復帰の可能性について、地元紙「シアトル・タイムズ」が「短い期間、マリナーズはイチローを復帰させるべきだ」との見出しで特集している。

 マリナーズは今季開幕前、昨年の本塁打王ネルソン・クルーズをフリーエージェントで獲得するなど積極的な補強を行い、リーグ優勝候補と予想されていたが、ここまで借金8で西地区4位。現役時代に指名打者として活躍し、シアトルで圧倒的な人気を誇るエドガー・マルティネス氏を打撃コーチに就任させるなど、様々な打開策を打ち出している。

 記事では、01年にメジャー挑戦の第一歩を刻み、MVPと新人王を同時受賞するなど数々の偉業を成し遂げたイチロー復帰の可能性に触れている。

 同紙のジェフ・ベイカー記者は「もしも、7月中旬までワイルドカードレース争いを展開できるのなら、彼らはマイアミ・マーリンズとイチローのトレードを真剣に検討すべきだ。そうだ。私は真剣だ」と指摘している。

 記事では、マリナーズが抱える問題と来月のトレード期限までのチーム強化に関する限界は経済的なもので、現有戦力によって複雑化されていると指摘。昨年もロビンソン・カノ内野手などビッグネームを獲得し、今季の選手年俸は総額1億2000万ドル(約150億円)と巨額になる一方、コストのかからない自前の若手選手のコア(核)が育っていないという。

 特集では、クルーズを補強しても、なお「数多くの穴が存在する」として、外野手のレギュラーと中程度の実力を持つ先発ピッチャーの補強が必要だとしている。

なぜマリナーズはイチローが必要なのか、古巣への電撃復帰の可能性は…

「イチローはシアトルに欠如している技術でチームを助けることができる。そして、そこまでコストがかからない」

 記事ではこのように分析。昨年、あと一歩のところで01年シーズン以来のプレーオフ進出を逃したマリナーズは今季、6月に入ってダイヤモンドバックスからトレードで強打者のマーク・トランボ外野手を獲得。選手総年俸は1億3000万ドル(約160億円)まで高騰しているが、現時点で欠如しているのはイチローの能力だとしている。

「チームにパワーを誇る打者は数多くいるが、出塁ができない」と問題点を明らかにした上で、同記者は「注意書きとともにやってくるとしても、イチローは助けになる」と言及。レジェンドが先週まで出塁率3割4分以上をマークしていたことにも注目しており、これはマリナーズでは主砲クルーズ以外の誰よりも高かったことが復帰を薦めるポイントだという。そこからイチローは16打席連続ヒットなしというスランプで同3割2分以下まで落ち込んでいる事実も紹介している。

 一方、マーリンズがイチローを手放せない状況もレポート。主砲のジャンカルロ・スタントン外野手が手の骨折で全治4〜6週間と診断されたことで、それまでパートタイムの出場だったイチローが「今、マイアミにより必要とされている」としている。

 マリナーズは強化費が高騰し、適切なトレード要員も存在しないが、補強戦略の失敗から数多くの内野手を外野に起用せざるを得ない状況で、戦力的な柔軟性を失っているという。 

「イチローがまだ力を持っていることを示すことができれば、重大な選択肢となる」

「もしも、イチローのスランプが永続的なものでなければ、彼の(スランプ)以前の出塁率は、マリナーズのソロホームランばかりによる得点数を増加させる手助けになる。イチローはパワーを欠くものの、三振数の多いマリナーズ打線と異なり、高いコンタクト能力がある。そして、必要としているスピードも加えてくれる。最後に、彼はそもそも外野の3つのポジションを本職とする選手でもある」

 記事ではこのように評価。イチローの補強がいかにマリナーズにとって適切であるかを記している。

 ベイカー記者は、2012年7月にヤンキースに去った際、イチローが年間8500万ドル(約104億円)の選手年俸のうち1900万ドル(約23億3000万円)を手にしていたことにも言及。だが、現時点でトレードが実現するなら、イチローの今季年俸は200万ドル(約2億4500万円)まで下がっている。しかも、シーズン半ばのためマーリンズが半額を負担すれば、1億3000万ドルの選手年俸のうちイチローにかかるのは100万ドル(約1億2250万円)であり、強化費を逼迫しないことも指摘。費用対効果が望めるという。

「まだ今季を救うことができる。そして、もしも、イチローがまだ力を持っていることを示すことができれば、補強費もトレード要員も放出要員もわずかなチームにとっては、重大な選択肢となる」

 記事では再三、背番号51の復帰を望む声を上げている。

 マーリンズも今季開幕前に大型補強を敢行し、優勝候補のダークホースと地元メディアに期待されていたが、借金15と大きく負け越している。主砲スタントンを故障で失い、選手を大量放出する“ファイヤーセール”に出る可能性も囁かれ始めた。イチローがかつて大歓声を浴びたセーフコ・フィールドに電撃復帰する驚きのシナリオは実現するのだろうか。