ローザンヌはジェンナーロ・ガットゥーゾの運命の場所のようだ。元ミランの彼が初めてスイスサッカーを味わったのは、ローザンヌとの夏のフレンドリーマッチだった。そして今回、その同じローザンヌを相手に、リンギオ(ガットゥーゾ)は監督としてデビューしたのだ。監督というより、クリスティアン・コンスタンティン会長が言うように、「自己管理集団の親分」とするべきか。

フレンドリーマッチは夏の暑さの中で行われたが、今回は冬の厳しい寒さの中での試合だった。幸いにも、ガットゥーゾにとって、違いは天候だけではなかった。結果も異なるものになったのだ。夏の試合は0−2で敗れ、その影響もなかった。だが今回は、2−0と勝利を収め、国内カップ戦の準決勝へと駒を進めたのだ。

ガットゥーゾはピッチで指揮を執り、86分間にわたって魂を込めて戦った。そしてその後、自らを交代させ、ベンチに下がった。試合中、ベンチで指示を出したのは、開幕から助監督を務めてきたルイージ・リッチョ氏だった。

リンギオはリスクを冒さなかった。遮断効果を生かすために、チームスピリットを鍛えるために、彼はかん口令を敷いているのだ。ピッチでは、バランスの取れた4-4-2で臨み、カウンターを多用。不可解にもビクトル・ムニョス監督が外していた、ゴールゲッターでもあるサイドバックのビルモシュ・バンツァークを再び起用した。

そしてそのバンツァークが、28分に先制点を奪取。終了間際にはPKで追加点を挙げ、シオンは2−0と勝利した。ガットゥーゾの初戦はうまくいったのだ。だが、3日後にはチューリヒでのリーグ戦が控えている。